匂いのように、感じる音楽
音楽が人を惹きつけるのは、何が理由なのだろうか。
曲を聴くと、その時の感情や情景がふいに戻ってくることがある。
逆で言うと、思いが曲になって戻ってくることもある。
最近で言うと、浜崎あゆみの[A song for ×××]が突然降ってきた。
『いつも強い子だねって、言われつづけてた…泣かないで偉いねって、褒められたりしていたよ』と口づさんでいた。
夏休みが終わる。
自分の心の弱いところを、隠したかったのかもしれない。
うちにはamazon echoちゃんがいる。通称《アレクサ》だ。
「アレクサ、音楽つけて」と言えば、素敵に音楽をつけてくれる。
息子はYouTubeのshortチャンネルが好きで、よく見ている。
(親的にはエンドレスで流れていて、あまり好きではないのだが)
その中で使用される曲が、画面の横に#(♪〇〇)と表示されている。
ときおり息子が、
「アレクサ!〇〇の曲流して!」というと『はい』と言って流してくれる。
私の全く知らない曲が流れてくる。
よくよく歌詞を聞いていると、なんだかとてもいい内容で泣けてくる。
不登校なりたてのまだメンタルが落ちてた頃、息子が流したこの一曲。
その後も、Mrs.GREEN APPLEの[青と夏]とか。米津玄師の[Lemon]だったり[KICK BACK]だったり。
イイChoiceするじゃないの…と別な部屋から感じ入って聴いている。
先週から今週にかけて米津玄師さんを、テレビでお見かけしている。
米津さんも発達凸凹があり、人間関係に苦労した子供時代だったと聞いたことがある。
ミセスのボーカル大森さんも中学時代に不登校だったとか。
理解や共感ができる。
さまざまな感情を味わい、その気持ちを持って人は創造している。
そして不思議とその思いを感じ取り、その曲に惹かれる息子なのかもしれない。
米津さんが言う。
「外に出ることは、ときに痛みや苦しみを伴う」
経験者は知っている。そこを抜け出す苦しみ。
さらにその苦しみを越えてでも、人と対話すること。
それは、己にとって必要な作業なんだということを。
そうしていま、そこに立っている。