『だれかの居場所になる』そんな本屋を開店します📖
「おはよう」 ・・・。
かけた挨拶に返事はなく、すーっといつもの畳スペースに入っていく子。
奥のそのスペースにはYogiboのクッションが置いてあったり、ムスメが小さい頃に使っていた室内用のミニテントなんかも置いてある。
『誰にも声をかけられず、何時間でもいられる場所』
学校に、居場所がなくなってしまった子。
家のなかにいることが、窮屈になっている子。
色んな事情があると思う。
ここは必要以上に理由は問わない。
それでも、一人でいるよりはさみしくない。
他人の空気を、自然と感じられる場所でありたい。
音に敏感な子もいるから、ここではゲームやスマホの使用はNGにしてある。
時間に制限はなく、いつでも、何時にきてもいい。
何時間でもいてもいいし、いつ帰ってもいい。
置いてあるものは絵本や、簡単な物語、読みやすい雑誌系が、低い本棚に収められている。
頭を少し上げたら、誰がきているのか見ることができるくらいの高さにしている。
ここのスペースの本は、売り物ではない。
ただ図書スペースの利用は、小中学生以下に限定とさせてもらっている。
ひとつ利用条件として、ここにいる子にお願いしていることがある。
『あなた達がもう少し大きくなったら、たまにまた来てほしいんだよ。ここにいる子たちに、少し年上のお兄さんお姉さんの存在がどんなものか、見せにきて欲しいんだ。』
実際に本を売っているのがメインコーナーだ。
自宅のリビングのレイアウトをすこし改装して、スペースを確保した。
地域の本屋が閉店したことで、悲しい思いをした。
近隣の年配の方にも気軽に買いに来てもらえるよう、基本は低額の古本を売っている。
だが、新書が欲しい人向けに、仕入れることも可能だ。
いまはこんな本屋システムもできてきている。
少量の新書も、売ることができる時代になった。
ちょっとブレイクできるように、座れる場所も2〜3席用意している。
わたしは必要以上に、来たお客さんに声はかけないようにしている。
自分の仕事も別で持っているからだ。
掛け持ち、複業スタイルである。
しっとりと誰にも声をかけられずに、何時間でもいられる場所。
大人もちょっと立ち寄って、本の匂いを感じられる場所。
話のついでに、インスタントコーヒーくらい出てくる日があるかもしれない。
そんな『晴れパン本屋』ができました🍞
不登校兄妹を育ててみて、分かったことがある。
学校に合わなかったからって、すぐすぐ別な居場所がみつかるわけじゃない。
経済的な事情でサードプレイスに通うことができない家庭もあるし、
両親が共働きな家庭は一人では通えないから、家に居るしかないってこともあるだろう。
メンタルを痛めていたら、大人と同じで回復するまで家で休養しないといけない。
こどもが動き出すのは、それからだ。
低年齢で不登校になれば、留守番させることもできずに、親は仕事を辞めたりするでしょう。
でもね、だからってね。
親が24時間365日ともに同じ場所にいることは、当たり前でもなくとても大変なんですよ。
心を痛めて荒れている我が子、回復してきて元気すぎる我が子、親と離れることが不安で大きな体で縋り付いてくる我が子。
四六時中いっしょにいたら、親もツライですよ。
親とこどもも、離れる時間が絶対に必要だから。
ちょっとコーヒーを飲みに30分。
ちょっと本を立ち読みしに1時間。
そんな気軽に立ち寄れる場所が、近くにあるといい。
そしてこどもは、少し上の年齢のお兄さんお姉さんに憧れる。
大人は遠すぎて想像もできないだろうけど、高校生や大学生はキラキラして見える上に現実味がある。
もし、そんなお兄さんが『自分も不登校で、ここに来ていたことがあるんだよ』なんて言ってくれたら。
今の自分に自信が持てない小中学生にも、イメージができるんじゃないかな。
(不登校でも、大学生になれるんだ・・・✨)
そんな出来事が、その子の人生を変えるかもしれない。
大々的にスクール作ります!とかは労力的にも、金銭的にもできないけど。
『自分の好きなこと』✕『やりたいこと』✕『社会貢献できる要素』を取り入れて。
いつかそんな場所をつくれたらいいなと、思っている晴れパンなのでした。
⏬こちらの企画に参加させていただきました。