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曇天の隙間の光。

今日は週1モーニングの日。いつものドトールへ。
アルバイト募集の貼り紙が新しいものに作り変えられていた。
スタッフの誰か辞めちゃうのかな、寂しいな、とふと思う。

朝のこのドトールは男性8割、女性2割といった感じ。
圧倒的におじいさんとスーツの男性が多い。
朝から小さなテーブルに会社の資料らしきものを広げ、真剣な顔で書き込みをしている人、ジャーマンドックには手をつけずパソコンの画面を見つめている人、遠くに視線を投げてゆっくりコーヒーを飲むおじいさん、常連さんを見かけて少し口角を上げ頭をひょこっと下げるおじいさん。
それを視界の隅で捉える私。

今日はいつも遭遇する「マダム」には会えず。
でも、常連のおじいさんズには会えた。相変わらず釣り用(?)のベストがそれぞれお似合い。おじいさんズはホットサンドを食べていらした。
私はいつものトーストにジャム、アメリカン。
夫は珍しく変化球で、コロッケや卵のサンドを食べていた。
女子高生のような量で心配になる。それ250カロリーくらいしかないよ。
(私はトーストを食べる前にいつも自宅でヨーグルトにサラダを食べてる)

話題の本を読んだ。「成瀬は天下を取りにいく」。
作者が同世代と知って驚く。爽やかな青春もので読みやすい。
成瀬ってどんな子だろう?と想像する前に、この表紙ではっきりとイメージを先に提示してくるのが面白い。で、それが成功している。少なくとも私はそう思った。

表紙からして爽やか。

明るく楽しい気持ちになれる青春ものがたり。まっすぐやりたいことに突き進む成瀬が気持ち良い。続編も読みたい。
これ、実写になりそうだなあ。やるとしたら成瀬は誰だろう。
芦田愛菜さんかなあ。いや女子中高生役はそろそろ厳しいか。



「接吻」のポストカードはしおりとして
使ってます。

医師の松永正訓「ぼくとがんの7年」というエッセイも読んだ。医師である著者が膀胱がんに罹患し、治療する日々を綴ったもの。松永正訓医師の著書は初めて読んだけれど、非常に正直に分かりやすく戸惑いや不安、精神的な揺れと身体的苦痛について書かれていて、好感を持った。

傾聴とは患者が話しているのを、黙って真剣に聞いていることではない。聞くだけなら誰にもできる。医療者が行う傾聴とは、患者家族の言葉を引き出すことだとぼくは考える。患者家族の心の中には恐怖とか不安とか苛立ちとか色々な感情や思いがあるだろう。だけどそれらは言葉という形にまだなっていないことが多い。その未成熟な液状の言葉を、患者家族から引き出して、言葉という形に固めて表に出させるのが傾聴ではないか。

「ぼくとがんの7年」より

この文章を見つけた時、胸の奥を揺さぶられた。
看護記録でよく見かける「傾聴」という言葉。医療者であれば非常に頻繁に目にする・耳にする言葉だと思う。私もそうだった。
相槌を打ちながらひたすら聞くことを「傾聴」と表現したり、他の作業があり手を動かしながら患者の顔を見ずに、話を耳で捉えた状況を「傾聴」と記録したり。
看護師さんも医師も忙しい。これらの状況を責めることはしないし、それが悪いこととも思わない。そういう状況って、確かにある。
私がずっと言語化できずに思っていたのは、それらの状況って「傾聴」なのか?というものだった。こちら側のスタンスとして「傾聴」と表現しているだけで、患者さんは「聞いてもらった」感覚にはなっていないよな、と思っていた。

松永さんのこの文章で、はっきりと自分が思っていたことが明確になった。
患者家族の話を傾聴すること。
いかにそれが入院生活や治療に対する不安や苦痛を和らげたり、明日の治療もとりあえずやってみるか、痛いけどこなしていこう、と思えるか。私も身をもって知っている。

本を読み終えた後、顔を上げたら目の前の木々に光がさしていた。
朝から曇天だったけれど、ほんの少し晴れ間が見えた。

私の気持ちも、すっと光が当たった瞬間だった。

重苦しくない、医師である著者が身近に感じる良本でした。
たくさんの人に読まれるといいな。

個人的には「安楽死」「尊厳死」に関しても、ああそれそれ!わかる!!と思う文章があり、希望を感じた。

*************
毎日ほんの少しずつ蒸し蒸しとしていて、Tシャツとデニムやチノパンで過ごすことが多い。汗でベタベタになることも増えてきたなあ。

古着のTシャツにカーハートのリラックスパンツ。
この古着Tシャツ、ペラッペラで頼りない感じのクタクタ感。
お気に入り。


週末、妹が上京する。私は嬉しくて嬉しくて楽しみで仕方ない。
考えると気持ちが昂り涙が出てくる。
無事に来られるといいなあ。
姉の贔屓目だけど、妹は井上真央さんに似ていると思う。
妹にそれを言うと「永作博美に似てるって言われるよ」と返してくる。
どっちでもいい。
私は妹が大好きなのです。

さて、図書館に行って果物買って宅トレして夕飯を作ろう。

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