忙しい方が、良いよね
「忙しい方が、良いよね。」
お年寄りの方から、この言葉を言われる。
とても忙しくて、自分の心に余裕が無い時、この言葉を言われたら受け入れられないかもしれない。
でも、後10分で今日の仕事が終わり!そんな時に言われたら「今日も頑張ったな~。」とスンナリ受け入れられるかも。
会社勤めであれば、残業は無い方が良いし、ゆとりを持って働きたい。
トイレに行く時間が無いほど忙しいのはしんどい…。
分刻みで仕事をしなければならないのも苦痛だ。
だから、どちらかというと、余り忙しくなくゆとりのある働き方が、最近の人気であったり、多くの人の理想的な働き方だったりする。
だけど、ゆとりがあればあるほど今度は別の苦痛が出てくる。
忙しい以上に、やる事が無いけど定時まで会社で過ごさなければいけない。それはそれでもっと苦痛な気もする。
1日くらいはそんな日があっても良いかもしれないけど、それが3日も4日も続くとなると雑談のネタもつきそうだ。
「忙しい方が良い。」
この言葉は、誰から言われるかで意味合いが変わると思う。
直属の上司から言われると、「ちょっとは休ませてよ。」と思うのだろうけど、戦前・戦後を乗り越えて、家事も育児もしながら、自分で仕事を探して働いていた方から言われると、納得してしまう。
女性は家を守る、男性は外で仕事をする。
それが常識だった時代に、女性でも出来る仕事はありませんか?と、積極的に外に出ていったのだと思う。
その人たちにとって、女性が働く、ということは、当たり前のことではなかったのだと思う。
今は、男女問わず、資格を持って働くもよし、資格が無くても個人で活躍できる仕事がたくさんある。
あるというより、用意されているという感じかな。
その意思さえあれば、男女関係なく自分のやりたい仕事を選びやすい時代になった。
そんな時代の中、自分の欲しかった資格をとって、働いていて年を重ねるうちに、意欲よりも愚痴の方が多くなってくる不思議。
中堅にもなると、新人の頃に比べて上司も注意してくれなくなるし、自分にもよく分からないプライドが生まれてしまっている。
仕事について熱く語ることが出来た同僚も、今はそれぞれの生活がある。
意欲を掻き立てる火もガソリンも、いつの間にか私から遠ざかってしまっていたことに、今更気づく。
自分という薪はあっても、火とガソリンがなかなか手に入らない。
自分でも、自分をどう扱って良いか分からず、仕事への意欲を取り戻すのに必死な毎日だった。
そんな時、私は冒頭のあの言葉を思い出すようにしている。
時代によっては、働きたくても、働けなかった人がいる。
薪である私は、ゆとりを追い求めて仕事をしてきたけど、時々火もガソリンも加えて、忙しい方が良い時もあるんだ。
忙しい方が、良いよね。
毎朝、この教えを思い出して出勤している。
ちなみに、この教えが火だとしたら、ガソリンになるのが星野源のワークソング。
この教えと、ワークソングはハッピーセットのようなもので、結構な頻度で、私の憂鬱な出勤を支えてもらっています(笑)