「あの時のチョコ」

電車を降りて，家に向かった。手には少し齧った板チョコ。仕事終わりに近くのコンビニで買ったものだ。社会人になって、はや四年。

　バレンタインチョコを貰わなくなった。学生時代は義理チョコの類いはもらっていたが今はもう何もない。チョコなんてどれも同じだろう。そう割り切るのは簡単だが，あの時，あの瞬間に味わったチョコはもうないのだ。

　空虚な気持ちと共にチョコレートを貪った。