「ヒトカラ」

雨の日。降り続く雨に煩わしさを覚えた僕は近くのカラオケ館に向かった。

 最近,行ってなかったので久しぶりに行きたくなったのだ。かつて友人達と行っていた場所に一人で行く。不思議と寂しさはなかった。

 少し懐かしい曲から最新の曲まで幅広く歌った。懐かしい曲を歌うとその頃,自分がやっていた事。過ごしてきた場所などが脳裏に浮かんでくる。そこから最新の曲を歌うと自分という人間を感じる。

 これからもそれを繰り返し続けるのだ。この命が尽きるまで。

 歌い過ぎて、声を枯らしながら店の外に出た。雨は上がっており、いつも以上に眩しい夕焼けが周囲を照らしていた。

 


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