「群れ」
平日の昼間。ビルの上からコーヒーを飲みながら,下にいる人達を眺めていた。このたくさんの人がこの国の社会を担っているのだ。群れだ。人の群れ。
蟻の群れ。魚群と同じ。社会生物の群れだ。
こうしてみるととても面白い。すると一人の男が目についた。服装が見窄らしく、社会に対して不平不満を抱いていそうなタイプの男だ。
すると男が突然、手に持った小さなものを掲げた。何をしているのかと観察していると男が光に包まれた。数秒後、凄まじい爆発が起こった。突然の出来事に僕や周囲の人々が周囲の動揺する。何の変哲もない日常の光景が爆音と共に崩れ去り、外から悲鳴が聞こえる。
傷一つない社会に亀裂が走ったのだ。いや、元々ヒビは入っていたのかもしれない。僕がそれに気づいていなかっただけだ。
非日常的な光景を見て、思わず口角が上がった。