「夜のコーヒー」

冬が近づいて、気温が低くなる季節。俺は一人、自販機のそばで缶コーヒーを飲んでいた。

 これからの季節はこれが美味くなるから良い。コーヒーは不思議だ。飲むたびに日頃の葛藤や心の靄が晴れていく。

「ああ、いいな」
 静かに息を吐くと、白い靄が空に昇って、消えた。夜空には無数の星が輝いていて、俺を労っているようにずっと輝いていた。

いいなと思ったら応援しよう!