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milet 「Anytime Anywhere」 耳に残る音と胸に残る歌詞で“生と死の美しさ”を表現
最近毎日のように聴いている楽曲、miletさんの「Anytime Anywhere」。
心地よいリズムと胸に残る歌詞が好きで、今いちばんハマっている曲と言っても過言ではありません。
好きだからこそ、みなさんにも知ってほしい……!そう感じたので、わたしなりに魅力をお伝えします。興味を持ってくださったなら、ぜひ楽曲も聴いていただきたいです。
テーマは“死” 現在と天国の両方の視点から歌っている
「Anytime Anywhere」は、テレビアニメ『葬送のフリーレン』(日本テレビ)のエンディングテーマとして制作されました。わたしはアニメを知らなかったのですが、楽曲の世界観を感じたくてイッキ見しました(笑)
アニメの主人公は、1000年以上も生きている魔法使い・フリーレン。人間と同じ世界で生活をするフリーレンは、誰よりも長生きをしています。
長く生きることは、人との別れが多いということ。そのため「Anytime Anywhere」は、“死”がテーマとなっています。これはわたしの解釈ですが、残された人と天国へ旅立った人の、両方の視点から歌詞が書かれているように感じます。
たとえば、1番の最初の歌詞である「And you alright Can you hear me」(そしてあなたは大丈夫。聞こえますか?)
そして、2番の最初の歌詞である「And I'm alright (I'll be alright) Yeah, I hear you (I care about you)」(そしてわたしは大丈夫。あなたが聞こえるよ。あなたを大切に思う。)
歌詞が対になっていますよね。1番は、今を生きるフリーレンが天国にいる人々を思う視点。2番は、フリーレンとお別れした人々がフリーレンを空から見守っている視点。わたしはこのように解釈しました。
(直訳なので、日本語がおかしいのは許してください……)
たくさんの人々との別れを経験しているフリーレン。「うれしい」「悲しい」などの感情を表に出すことはなく、人間に対して「どうせすぐ死んじゃうじゃん」なんて冷たい言葉をかけることもあります。
それでも、大切な人が天国へ旅立ってしまうのは悲しいこと。アニメでフリーレンは、時々過去の思い出を振り返るんですよ。そのシーンは、歌詞の「鮮明でいたい思い出を抱きしめている」にて表現されているなと思いました。
天国へ旅立って会えなくても、大切な人は心の中で生き続けます。天国へ行った人々のことはわからないけれど、きっとわたしたちのことを見守ってくれているでしょう。
『葬送のフリーレン』の世界観を映し出すような歌詞が、胸に残ります。
サビのメロディが頭から離れない
はじめて「Anytime Anywhere」を聴いた日から、サビが頭から離れません。テンポとリズムが印象的で、ふとしたときに鼻歌で歌っています(笑)。
miletさんは「Anytime Anywhere」の編曲に関して、インタビューで以下のように話していました。
多分、私のデモ通りのコード感だったら、“死”へのフォーカスが強いものになっていたと思うのですが、エバンさんが管楽器の高い音で鳥が羽ばたいているような雰囲気を出してくださったり、まさに祝福という言葉が合うような音作りをしてくださったので、より命を繋げていくことや繋がっていくことに対する喜び、もっと生きていたいと思えるような感情にフォーカスした楽曲になりました。この楽曲に希望を与えてくれたと思います。
「鳥が羽ばたいているような雰囲気」……わかる!!!
編曲を担当したEven Call(エバン・コール)さんはインタビューで、「悠久の時間の長さみたいなものを表現したくて」さまざまな楽器を使用したと話しています。
(animate Times 「『葬送のフリーレン』音楽・Evan Call(エバン・コール)さんインタビュー|劇伴の制作秘話はもちろん、編曲を手がけたED曲「Anytime Anywhere」や、お気に入りのシーンについてのお話も!」より)
これまでのわたしは、楽曲の音に注目することはほとんどありませんでした。お二人のインタビューを通して興味が出てきたので、これから勉強していきたいです。
フリーレンは、大切だった人たちの“死”を勇気や希望に変えて旅をしているように感じます。エバン・コールさんの編曲によって、見事に表現されていると思いました。
できないとわかっていても天国の大切な人には会いたくなる
「Anytime Anywhere」のクライマックスの歌詞には、心を揺さぶられます。
「せめて 会いたいよなんて言わないから
ねえ 今日だけは思い出していいかな」
「こんなに胸が痛いのはあなたといた証かな」
あまり感情を表に出さないフリーレンの、本音のようにも聞こえますね。
多くの別れを経験しても、大切な人と離れるのは悲しいこと。自分が弱っているときにはそばにいてほしいし、会いたくなることだってあります。でも、それは不可能。だから人は思い出すし、胸を痛めるのでしょう。
そして最後の歌詞「I'm whispering our lullaby for you to come back home」。
意味は、「あなたが帰ってくるようにわたしたちの子守唄をささやく」。
これは、天国にいる人々から今を生きる人たちへのメッセージだと捉えています。
天国が帰る場所だなんて嫌かもしれないけれど、大切な人のそばにいられる素敵な場所でもあります。大切な人がわたしたちを待ってくれていると考えたら、少し前向きに“死”と向き合える……と、わたしは思いました。
この部分は、人によって捉え方が変わってくると思います。解釈の違いがあるからこそ、音楽は楽しいですよね。
今回は、アニメ『葬送のフリーレン』を軸に考えました。ですが、感じ方は人それぞれ。誰しも考える命を扱う楽曲なので、心に響く方が多いと思いますよ。
「Anytime Anywhere」のタイトル通り、「いつでもどこでも」人は誰かを想っています。同時に、天国にいる人々も「いつでもどこでも」わたしたちを見守ってくれているのではないでしょうか。
この楽曲を通して、あなたと大切な人がつながり合えますように……。