映画を観た「花椒の味」
2019年、香港・中国の作品。
父親が急に亡くなったことにより、異母妹の存在を知った主人公。
父が経営していた火鍋のお店の賃貸契約期間が残っていたため、跡を継ぐことに。
人気店だった父の味を再現しようと、父親が同じことだけが接点の妹たちと奮闘する。
三姉妹はすぐに打ち解け、すんなりお互いを受け入れるが、彼女たちは各々の家族に対しての思いがあり、悩み葛藤している。
描かれている母親や祖母の、甘えと優しさを素直に出せず逆にキツく当たってしまうところがリアルで、いるだろうな、あるだろうな、と思いながら観た。こういう描写はしんどい。
いや映画が悪いのではなく、おそらく自分の問題。
実際だととんでもない状況の設定だが、三姉妹の爽やかさが、心地よい雰囲気の作品にしている。
花椒の痺れる辛さは痛覚だとし、他の痛さなんて感じなくさせる。
各々の世界で味わう痛さを、父の花椒の味で弾き飛ばしていたのかもしれない。
瞬間的に主役の女優さんが中山美穂さんに見える時があって、なんとなく海外作品を観ている感じがしなかった。日本版リメイクもいいかも。でも私が作るなら主役は中山さんではないけどね。