心、ざわざわ
トイレで。
清掃中だった。
立ち入り禁止ではなかったので、清掃作業の邪魔にならないように使わせてもらう。
使用中で閉まっていたドアが勢いよく開いた。出てきた若い女の子。二十代くらい。
清掃している人に向かって
『ねぇ、ちょっとぉ、ペーパー入ってないよ!』
うーーーーーっ!!
(あんたさぁ…そんな言い方はないでしょう?)
自分の親、それ以上かもしれない年齢の人に対しての物言い。
(あなたの親が、あなたみたいな子にそんな言い方をされたとしたら?どう思うよ?)
トイレを出ると、中の女の子と同世代くらいの男の子が壁に寄りかかってスマホを触っていた。ほどなくして、先程の女は、壁寄りかかり男と腕を組み歩き出す。あんたが待っていた女の子は、礼儀知らずなんだよ〜って言いたくなる。
だけども…どこかだらしのない感じのあなたに、この女の子はピッタリだわなぁ。
バックヤードで。
商業施設の中にある売り場まで、建物内のバックヤードを通って行く。
人気のない片隅で、上司らしき人が部下に小言を言っていた。
その言い方の嫌味ったらしさったらない。
もしかすると、上司は相手を慮って、人目につかないバックヤードで注意をしているのかもしれない。
が、こんな場面に出くわすと、心穏やかではいられない。
休憩室。
1人で働く仕事なので、休憩時間も1人で過ごす。
たくさんのテナントが入っている施設の休憩室には、様々な人が出入りしている。
隣のテーブルで女性3人が、悪口に花を咲かせている所に、悪口の対象者登場!が分かってしまったシュチュエーション。
途端に口をつぐんだ3人。安っぽいドラマを観ているようだった。
自分に関係のないこんな場面は、面白おかしい。
人と接する接客業。
日々、人を観察している。(笑)
お客さんと一戦交える!!
あったまにきた!!(怒)
たまに来る無愛想な、モーガン・フリーマンをいじくそ悪くしたような顔の、どデカい外国人。
自分でロト7を書き込んでいるのに、
『コレ、イクラ?』と聞いてくる。
(わかるだろうに。)どんな理由があるのかは知らないが、小分けに何枚も申込みカードを差し出しては『コレ、イクラ?』(まとめて買ってよ!!)
次を買う前に、発券した分の支払いをして欲しいと言った途端、
『アンタ、オカネオカネ、ウルサイネ!!』急な剣幕。(はっ?)
プチッとはなったが、まだ大丈夫。
『だってね、発券した分の支払いをし…』
聞き取れたのは『shut up!!』と『don't make excuses!!』だったと思う。
後は日本語とのチャンポンでよく分からなかったけど、友好的ではないのはたしか。(笑)
こっちが言葉を発しようとすると、かぶせまくりで喚いてきた。
ブチ切れましたね〜。さすがに。
カーッとなった。顔が赤くなってきたのがわかる。
と、同時に、心の中をブリザードが吹き荒れた。
ビュ〜〜ッビュ〜〜ッ。
許さねぇ!絶対に許さねーぞーーーっ!!!
ルフィのセリフが頭に浮かんだ。
くっそーーー!こやつめー!どうしてくれようか…
「黙して語らず」
何やらずっと、激しく文句を垂れているお客を無視。
淡々と手続きを進め、お釣りをトレーに乗せてフィニッシュ。
黙したまま、モーガンが帰るまで、モーガンを視界に入れず、ジッと遠くを見つめていた。
この様子を、緊張の面持ちで見ていた次のお客さん。
何事もなかったかのように、笑顔で『いらっしゃいませ〜』と言う、顔の火照りが引いた店員。(私のこと。笑)
お客さんの顔が引き攣っていた。
(ざわざわさせちゃいましたよね?わかりますよ〜。失礼いたしました。)
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