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御相伴衆~Escorts 第一章 第十七話 数馬編⑥ 初めての御渡り

 少し、時計を戻すことにしよう。
 話は、数馬たちが、二人の姫と、お庭遊びをした後の夕方へ。

 部屋に戻ると、大きな問題が残っていたことに、数馬と慈朗シロウは気づく。既に、夕食の時間が過ぎている。

「数馬、お風呂入った方がいいって」
「あああ、言われてた」

 そこへ、先程、お庭についていたルナが、また現れる。

「慈朗様、柚葉様に呼ばれてらした件ですが、・・・お察し頂けますよね。なので、慈朗様も、今宵はこちらにて、お願いします」
「そうだったのか?」
「うん、少し、話したいことがあったみたいで」
「良かったな。高官接待以来、柚葉は、お前に優しいからなぁ・・・じゃあ、俺、風呂に」

 慈朗は、柚葉と約束があったが、第二皇女の帰国で、柚葉は、今夜、美加璃姫の御相手をしなければならなくなった。その後、月が、慈朗にも、そっと伝える。

「慈朗様も、お風呂、済ませてください」
「ああ、そうなの、そうだよね、そうなのか、どうしよう、・・・数馬?」
「何が?」
「あああ、だから、・・ああ、月、今日はありがとう、大丈夫、お風呂行きますから」
「今日は、お妃様とお夕食をご一緒になさってくださいね。あ、髪の毛を乾かしに、20分後に参りますから、それまでに、お済ませくださいね。では、また、参ります

 月は、そう言って、慌てた慈朗に、気の毒そうに頷き、一礼して、部屋を去った。

 数馬、意味、解ってないなあ・・・二人で、お妃様に・・・ってことなんだけど・・・。

 なんとなく、時間の無さもあり、二人で浴室に飛び込んでいた。普通の部屋以上に広い浴室は、バスタブと、大きな浴槽というより、公衆浴場のように、広い湯船が設えてある。当然、お妃もここを使うからだろう。良い匂いの石鹸や、シャンプーなど、十本以上置いている。

「僕は、これを使うように、言われているんだけど」

 慈朗は、百合の柄の白いボトルを三つ、集めて、手元に持ってきた。

「えっと、どれが、頭洗うのだっけ?なかなか、憶えられない」

 ・・・そうか、慈朗は、字が読めないのだ。ボトルは同じ大きさで、柄も統一なので、文字を読まなければ、普通でも、間違えそうな代物だった。それが、お妃の好きな香りで、多分、慈朗のイメージなのだろう。

 ・・・しかし、文盲というのは、今後、慈朗が困ることになるだろう。高官接待で、文字が読めないのに同行して、大丈夫だったのか。恐らく、柚葉が、全てカバーしたのだろう、と推測できたが・・・。そうだ、慈朗の教育を、お妃様にお願いしよう。食事の仕方、文字の読み書きなど、最低限のことは身に着けなければならないだろう。数馬は、そんなことを考えて、身体を流していた。

「これがシャンプー、頭を洗うやつだよ、慈朗。じゃあ、俺も・・・」
「あ、待って、同じのは、使っちゃ、ダメだよ」
「どうして?」
「僕たち、それぞれ、自分の香りが、決まってるんだ。寝所で誰がいるか、解るようにする為とか、言われたことがある」
「そうなのか?」
「柚葉は普段から、いい匂いしてるでしょ。あれは、決まっていて、専用の香水も作らせてるんだって。上品なティーツリーとかいう名前でね、良い匂いの木の香りらしいよ」
「へえー」
「あの桐藤は、市販のブランド品らしくて、あれは、本人が好きなのを、お妃様が認めたらしい」
「確かに、独特な感じ、少し強めの癖のある感じだな、俺、汗の臭いだと思ってたけど」
「えー、もう、ダメダメ、数馬、そっちはダメだね。あれはね、男っぽいあれが入ってるやつだよ・・・ん?麝香とかいうのかな?」
「あああ、わかった。そんな芝居したことがある。女をその気にさせるやつだろ?」
「んー、そうなのかも。桐藤らしいね」
「じゃあ、俺は、どうすればいい?わかんねえから、慈朗、選んでよ」
「解った、うーん・・・」

 慈朗は、それぞれのボトルの注ぎ口に鼻をつけて、匂いを嗅いでいる。

「これかな?緑のボトルのやつ、これがいいよ。多分、イランイランってやつだよ」
「ちょっと見せて」

 数馬は臭いを嗅ぐ。首を捻る。いわゆる、普通のシャンプーの濃い臭いのやつ、と思っていた。

「解った。時間がないから、これでいい」
「褒めてもらえるといいね。前に、お妃様が、この匂いも好きだって、言ってたから」
「お前、鼻いいんだな」
「そうかな?」
「普通、こんなの、憶えてないよ。・・・これは、スメラギ語の表記だ。解りそうで、今一つ解んないけど・・・東国語と似てるんだけど、語順が違うから。却って、ややこしくって。多分、あ、ここは、ランサム表記だから、少し解る。イランイランアブソリュートだって。ふーん」
「ああ、そんなこと、言ってたかも、お妃様も」
「じゃあ、いいかもな。行くぞ」
「よく洗ったの?特に・・・」
「大丈夫だよ、ちゃっちゃとするんだ。こういうのは」

 風呂を上がると、ルナが脱衣所で待っていた。数馬は、驚いて、バスタオルを腰に巻く。

「び、びっくりしました、すみません」
「いいえ、髪を乾かしに来ると、申し上げましたでしょ」

 ひょっとして、確信犯か?

「はい、座って、・・・今日は、少し、左側のね、前髪のここを止めて、髪を軽く、後ろで纏めて、結んでみましょうか。これね、数馬様ならお似合いだと、お妃様からのオーダーなんですよ。輪郭がお綺麗だからとね」

 耳から顎のラインを隠していた、前と横の髪が上げられて、後ろで軽く結ばれた。まあ、芝居でも、こんな髪型をよくするから、何の不思議もない。

「こないだみたいに、お化粧しますか?」
「いや、いいと思うけど・・・お妃様のオーダーはないんですか?」
「後はないですね。ああ、もう、下着はつけないでいいです。そのまま、ガウンを羽織ってください」
「ああ、これが、オーダーなのか・・・」
「特に、何もなければ、これからも、このように致しますから」
「はい・・・」
「大丈夫ですか?」
「はい、・・・」
「初の御渡りですからね、数馬様の元には」
「うーん、でも、慈朗がいるから、大丈夫」
「え、・・・まあ、そうなんでしょうけど・・・」

 月の顔が赤くなった。なんなんだ。その時、慈朗が上がってきた。

「ね、月、数馬の香り、今夜は仮に、イランイランにしたんだけど、嗅いでみてあげて」

 月は、数馬の髪の毛に、鼻を寄せる。

「そうかな、と思っておりましたが。その東方のイメージの香りなので、合っていると思われますよ。これなら、お妃様のお好きな匂いですしね」

 慈朗は当たり前のように、月の側の椅子にかけ、ドライヤーをかけてもらっている。いつしか、ランサムで見た、あの踊り子のような、まるで、売れっ子スターのようだ。・・・あ、あの人、そうだ。思い出した。桐藤キリトに似てるような気がする・・・あの人、・・・数馬はその踊り子に憧れていた。そのことが、記憶の中で一致した。桐藤を見ても、何とも思わないが、彼女の事を思い出すと、心が少し、ほのぐ感じがした。数馬は、一人呟く。

「何も、こんな夜にな・・・」

「さて、終りました。御渡りになりますまで、お部屋で、お待ちくださいね。お風呂はこのまま、使えるようにしておきますので」

 月に促されて、浴室から出ようとして、振り向くと、月が服の裾を捲り上げて、エプロンの結んだリボンにたくし上げている所を、二人して、見てしまった。

「ねえ、数馬、月って、脚、綺麗だね」
「それは、言ったら、本人、悦ぶかもね」
「なんで?嫌がられるよ、いつ、見たの?って」
「お前のファンだから、お前に言われると、きっと悦ぶ」

 月は気づかずに、浴室を整え始めていた。


 少し経つと、第二皇妃が、数馬と慈朗の部屋に訪れた。

 お妃が、例のソファに、腰掛けると、食事の準備ということで、給仕係の者が、ご馳走を大きなワゴンで運んできて、小皿に少しずつ、それを取り分けた。ソファの前に、小さなテーブルが設えられ、それらが並べられる。その間、数馬と慈朗は、お妃の両隣に跪いた状態で待っている。お妃の好きな、果実酒が運ばれてくると、すかさず、慈朗が立ち上がり、受け取る。慈朗は、再度、跪き、うやうやしく、杯を掲げるように、お妃に手渡す。

「いらっしゃい、慈朗」

 慈朗は、段取りが解っているのだろう。スッと、大柄なお妃の膝に乗り、デカンタに入った果実酒を杯に注いだ。その後、トンと、音を立てて、膝から下りると、また、元の位置に戻って、跪いた。それを合図にしたかのように、給仕係の者が下がっていく。その纏め役のような中年の男が、恭しく、頭を下げ「どうぞ、お寛ぎ下さいませ」と低い声で呟き、ドアが閉まり、外から施錠される音がした。

「はあ、お待たせしましたね。お前たち、お腹が空いたでしょう。こんな形式的なのね、私もどうかと思うのだけれど、歴代の皇妃の習わしなので、仕方ないです。今日は、娘たちのお相手をよく務めてくれました。どうぞ、召し上がれ」

 まずは、お妃が、一口、皿に箸をつけて、口に運ぶ。慈朗の目は、それをじっと見ている。・・・大丈夫かな?慈朗、どうするんだろうか・・・、あああ、慈朗は、お妃にはばかることなく、いつもの調子で、食べ始めた。え?お妃は、それを微笑んでみている。そうか、そうなんだ。これはお妃の・・・。数馬は、眉をひそめた。

「どうしましたか?数馬、食べないの?スメラギの料理は、口に合わないとか?」
「そ、そんなことありません。あの・・・」

 慈朗に、視線を送る。

「ああ、慈朗ねえ。傍で、食べた気がしないなら、好きなものをとって、こちらに来て、食べなさい」
「いえ、そういうことじゃなくて・・・、こんな食べ方・・・」
「・・・子犬だからね、慈朗は」

 えっ?

「うふふ・・・数馬、お酒を注いでおくれ」
「あ、はい」
「お前は、飲まないのかい?」
「あ、ああ、今夜は、ちょっと・・・」
「まあ、先を、心配してるんだね?酒席で、失敗でもしたことがあるとか?」
「そんなことはありませんが、お妃様に、不快な思いをさせたくありませんから」
「そう・・・」

 お妃様は、果実酒を、美味しそうに煽る。ゴクリと喉を鳴らして、それを、飲み込んだ。

「慈朗は、不快かしら?」
「はい、いい子なのに、あれでは、可哀想です」
「そうねえ・・・、数馬、膝に乗りなさい、ご馳走を食べさせてあげますから、さあ」
「でも、俺は、慈朗より大きいし、重いですから、お妃様が大変ですよ」
「じゃあ、隣に来なさい。それなら、いいでしょ」

 促されて、俺は、言う通りに、ソファにかける。これは、断れないな・・・。

「はい、あーんして・・・いいから、言うことを聞いて」
「あ、はい・・・」

 仕方なしに、その餌じ行為を受け入れる。

「見て、・・・」

 お妃様は、慈朗を見た。俺は振り返った。慈朗は、食べる手を止めている。

「お風呂に入ってきます・・・」
「ふふふ・・・」
「慈朗、どうしたんでしょうか?」
「簡単なこと。お前、慈朗に、食事の躾をしたいの?」
「はい、じゃないと、偉い人の前では食べられないって・・・、今ので、お腹いっぱいになったのかな?」

 お妃様は、俺の顔をじっと見て、微笑んだ。

「慈朗はね、欲望に弱いのよね。食事もしたいだろうけど、どうやら、今は、それに勝ったみたいね」
「どういうことですか?」
「躾けるチャンスかもね。慈朗は、お前に妬いたのよ。私に甘やかされる同胞を見たことなかったんでしょうから。目の当たりにするまで、今夜のことは、その意味が解らない。きっと、多分、お前もそうなのでしょうね」

 少し経つと、慈朗は、まだ、髪が濡れたまま、新しいガウンを着て、浴室から小走りにお妃様の足元に傅き、しがみ付いた。

「まあ、綺麗にしてきたのね。いい匂い。カサブランカ・・・。もう、ご飯はいいのかしら?」

 慈朗は、涙目になっている。

「お行儀の良い子になってほしいと、数馬が言っているのだけど・・・、お前も、私に食べさせてほしいの?」
「・・・」

 切なそうな顔で、一心にお妃様を見つめている。ここまで、俺の顔を一切見ない。声をかけていいのか、全く、解らない。慈朗は、女の子みたいに、可愛い顔つきだ。

「まだ、食べ足りないだろうから、おいで」
「どいて」

 俺は、お妃様の隣から、慈朗に突き飛ばされ、ソファから、転げ落とされる形になった。そして、そのまま、慈朗は、お妃様にしがみ付いて、膝に乗った。それはもう、大きな子が、母親に甘えてる感じだ。もう、いい加減にやめなさい、と普通の母親なら、窘めそうな感じだ。いくら、身体が華奢で、小さな慈朗でも、もう、おかしな見てくれになっている。

 ・・・え、慈朗・・・普段の感じは、どこに行っちゃったんだろう、

 ・・・数馬は、困惑する。

「はい、いい子、少しずつね。お行儀の良い子しか、こんな好い事、して貰えないのよ。次に来る時まで、数馬に躾けて貰っておきなさい。わかった?」
「はい・・・」

 慈朗は、事も無げに、こくりと頷く。

「もう、そんなに、泣かないで、いいのよ」

 ・・・驚いた・・・。

 数馬は、慈朗が、こんなに、お妃に嵌まっているとは思わなかったのだ。噛まれるだ、なんだって、言ってたから、辛いばかりかと思っていたのだが・・・。

「さて、数馬、これで、お前の心配事は、一つ消えましたね。その代り、この子の食事の躾は、お前に任せます。そうだねえ、目標は柚葉ぐらい、エレガントに、ランサム料理のコースが食べられるぐらいになってほしいものだわ。子犬は卒業ですよ。慈朗」
「ごめんなさい」
「いいのよ、言われたことをきちんとやれば、いいのだから、お前は、優しくて、賢い筈ですよ。そして、誰よりも可愛い」

 お妃は、慈朗を抱き締める。すると、どこからか、先程の給仕係が出てきて、テーブル毎、全てを取り払ってしまった。その代わり、果実酒の残りと、グラスがいくつかと、果物と、多少の菓子が、サイドテーブルに残された。

「これはね、救済措置ね。この子の飢えを援けます。まあ、数馬、お前も気に入ったら、召し上がれ。人の心配ばかりして、お前、結局、今夜は、一口しか、食べてないじゃないか・・・」

 この間も、慈朗は、お妃にしがみ付いていて、懇願するような瞳をしている。その度に、お妃は、首を横に振る。

「ダメよ、慈朗、人払いしてからにしましょうか。数馬、もう一度、ここに来て」
「でも・・・」
「いいのですよ。今夜は、正式には、お前の番なのだから」
「しかし・・・」
「来なさい」


 給仕係が退室した。人の出入りなど、お構いなしに、頑なに、お妃様にしがみ付いている慈朗。母親を求める赤ん坊のようだ。俺を見ない。多分、お妃との関係と、俺との関係と、その板挟みになっているようにも思えた。まあ、食事の躾は、それならば、コース料理云々は、柚葉に相談して、一緒に学ぶにして、それ以前のことは、毎食、俺が教えよう・・・。

 慈朗は、お妃の膝に座り、長い脚を彼女の身体に絡めている。腕は、そのまま、首に回して。顔は後ろを向いているから、見えない。泣いているように見えた。多分、混乱してるのだろう。正気があれば、ここまでのやり取りを見られて、俺に合わせる顔がないのかもしれないから。

 目で合図され、手招きをされて、俺はまた、ソファに掛ける。お妃様は、自分の口元に右手の人差し指を立て、静かにするように、俺に合図した。左手は、慈朗の身体を抱えるように、撫でている。その口元に当てていた右手が、真っ直ぐ、俺の顔を向かって、伸びてきた。顎を捉えられて、その親指が俺の唇を何度か辿り、撫でられた後、それは、唇を割って入ってきた。お妃様は、艶やかに、俺に微笑んで、首を縦に振る。

 ・・・何をすればいいかは、判っている。慈朗を刺激せずに、ゆっくりと、物事を始めようという合図だった。慈朗の方から、何か、弾くような音がしていた。いつの間にか、お妃様の左の耳元で、頭をくねらせ始めていた。ぐっ、と深く、彼女のそれは、俺の口の中に入ってきた。

 ・・・芝居だ、これは。

 心の中で、そう念じた。俺は、その手を握り締めて、その指を舐り始めた。お妃様を見遣ると、酔い始めた表情で、天井を見ている。

 慈朗は、そのまま、彼女の胸元に顔を埋めて、しばらく、動かなくなった。その頭を彼女の左手が撫でる。すると、慈朗は、お妃様の方に顔を向けた。その時、初めて、振り返って、俺のことを見た。少し、悲しそうな目で、同胞の俺を見る、俺、今、こんなことしてるんだけど・・・。そんな最中、慈朗は、逆に、いつもの顔に戻っていた。お妃様が、俺たちを見比べるようにすると、慈朗は、初めて、口を開いた。

「お妃様、数馬のそれ、気持ちいい?」
「ええ」
「僕と、同じぐらい、可愛がって上げてください」

 震えるような涙声で、懇願するように言った。

「いい子ね。お前は、本当に、優しい子、大丈夫よ、安心なさい、お前たち、二人とも、とても可愛いですから、同じだけ、愛してあげますからね。数馬も、こちらへおいで」

 お妃様は、慈朗と同様に、俺を抱き寄せた。二人を両腕に抱えた、母親のように。そして、俺の髪の匂いを嗅いだ。

「イランイランね、いいの、選んだわね・・・」

                        ~ 数馬編⑦につづく~


みとぎやのメンバーシップ特典 第十七話 数馬編⑥「初めての御渡り」
                      御相伴衆~Escorts 第一章

 お読み頂きまして、ありがとうございます。

 ここまでで、大体、御相伴衆のメンバー、それぞれの様子が描かれてきたと思います。

 その実、このお話は、それぞれの子からの視点で、一つのファイルとしてまとめている形のものでした。現在、それを再編し、時系列、流れに沿って、順番にご紹介しています。それぞれの子の視点でのくだりは、あと数回で終わる予定ですが、その後に、全体的なお話が流れ始めます。あと少しです。バラバラに動いていた彼らに、友情や連帯が生まれ、立場からなる、複雑な感情が絡み合っていきます。

 今まで、下の者を見下し、虐めていた桐藤の変化、複雑に、巧妙に動かなければならない柚葉の本音、そして、今回は、慈朗は、得られなかった母からの愛を、第二皇妃に求めていることが判明しました。数馬は、実に、ビジター的なポジションで、一番、ニュートラルで、一般的な立場、読み手に近い立場かもしれませんね。

 今後、そんな四人のそれぞれの関係性は、時には反目し、時には連帯し、個々人同士の関係性にも、変化が訪れます。

 まだまだ、話は序盤です。四人の自己紹介がやっと終了・・・といった所ですので、今後にご期待ください。

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