「宿、そなたには、大役が控えている。それまで、匿れておれ・・・」
あの時、そなたが、施した、その術、あの謡巫女に仕掛けられた呪詛、何か、解るか?
流れ巫女の所業は、その限りでない。
間違えを犯したら、その度、命は削れる。
七つの罪だ。これを犯せば、肺が潰れて終わる。
それが小刀で施した呪詛だ。
一つ目は、既に果たされた。過去に遡っても、それは数えられる。
犬畜生に劣らぬ、それだ。その父との同衾。
最後の罪は・・・まあ、そうだな、さしずめ・・・
「死の宣告をされているものは強い。最強の駒となる・・・ふふふ、宿、どうだ?・・・知らせてやるか?・・・その方が、面白いことになろうな・・・」
~つづく~
みとぎやの小説・連載中 舞って紅 第二十一話
「謡巫女に仕掛けられし呪詛」
以下、ランサム大学 畸神学部の研究資料から
後書きに設定を兼ねて、別の話に出てくる、研究資料として制作したものを掲載しました。・・・といっても、更にわかりにくいかもしれませんね。
つまりは、侵略前の世界で、畸神という神様を崇めていた、統治者、神官の一族から、排斥されていったということです。その末、生き残った者で、逃げ回りながら、居留を移したり、隠れて暮らしてきたのが、この四か所の漂白の民ということなのです。かつては、隣国に嫁ぎ、妃となった姫を輩出した一族、神官として、大事な神器を守っていた一族、それらが、殺され、人の住めないと言われる険しい場所に追いやられました。いつの間にか、多くの東国の民たちは、気づかぬうちに、その真実が抹殺されようとしている・・・。その土地や全ての存在が、まことしやかに、他の民族のものにされてしまう・・・呪詛を使い、乗っ取り、背乗り、これらが巧みに行われてきたとしたら・・・?
この話、ずうっと前から、考えて書いてきました。
最近、これは、どうも、みとぎやの伽(お話)というだけのことではないかもしれない・・・ひょっとすると、今の世の中も、実際に、世界の中に、いや、現在、住んでいる国も、そんな目に遭っている・・・かもしれません。
書き出した時は、これを世に出してよいのかと思っていましたが、今となっては、そんな世の中のアンチテーゼとして、今後も描いていきたいと思っています。
解説の方が長くなりました。
意味が解らない所もあったかもしれませんが、実は、他のお話のキャラクターの出自が解る部分もあったりします。お時間のある方は、探してみると良いかもしれません。
長い、難解な解説も含め、お読み頂きまして、実にありがとうございます。
このお話は、こちらから、纏め読みできます。今後の展開をお楽しみになさってください。