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投球障害肘を超音波×AIで正確に診断


📖 文献情報 と 抄録和訳

超音波画像を用いたディープラーニングによる上腕骨離断性骨軟骨炎の診断支援

📕Takatsuji, Kenta, et al. "Deep Learning-Based Computer-Aided Diagnosis of Osteochondritis Dissecans of the Humeral Capitellum Using Ultrasound Images." JBJS (2024) https://doi.org/10.2106/JBJS.23.01164
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[背景・目的] 上腕骨の離断性骨軟骨炎(OCD)の診断には超音波検査が用いられるが、その信頼性は検査者の技術習熟度に依存している。近年,ディープラーニングを用いたコンピュータ支援診断(CAD)が医学分野で応用され,高い診断精度が報告されている.我々は、超音波画像からOCDを検出するためのディープラーニングを用いたCADシステムを開発し、そのCADシステムを用いてOCDの検出精度を評価することを目的とした。

[方法] CADプロセスは、物体検出アルゴリズムを用いた上腕骨遠位の検出と、画像分類ネットワークを用いたOCD分類の2つのステップから構成された。196名の野球選手(平均年齢11.2歳)の投球腕の肘の4方向超音波画像(正常所見の104名とOCDの92名を含む)をトレーニングと検証に使用した。野球選手20名(正常所見10名、強迫性障害10名)の外部データセットを用いて、CADシステムの精度を評価した。システムの評価には、混同行列と受信者動作特性曲線下面積(AUC)が用いられた。

[結果] 外部データセットを用いた臨床評価では、4方向すべてにおいて高いAUCが得られた: 前方長軸で0.969、前方短軸で0.966、後方長軸で0.996、後方短軸で0.993であった。このように、OCDの検出精度は4方向すべてにおいて0.9を超えた。

[結論] 超音波画像からOCD病変を検出するディープラーニングベースのCADシステムを提案する。このCADシステムは肘の4方向すべてにおいて高い精度を達成した。ディープラーニングモデルを用いたこのCADシステムは、OCD病変を見逃す確率を低減するため、健診時のOCDスクリーニングに有用であると考えられる。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

僕は、投球障害予防のためのメディカルチェックの開催に関わったことがある。
メディカルチェックには、200-300人の小学生が訪れる。
各検査は、とにかく忙しい、数をこなさなければならないから。
そこで必要になることは、「スピード × 正確性」である。

超音波検査となると、正確性を担保しようとするとどうしても「スピード」が落ちやすいだろう。
しかし、今回のような人工知能を用いた診断方法では、スピードも早いことが予測される(そのデータも知りたい)。
そして、圧倒的な正確性。
僕もこれまでにAUCはたくさん算出してきた経験があるが、0.95を超えるというのは、かなりの正確性だと思う。
超音波 × AI、OCDに限らずあらゆる超音波診断に有用そうだ。

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