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孤独への移行。危険因子となるライフイベント
📖 文献情報 と 抄録和訳
世界の中高年におけるライフイベントと孤独の変遷
📕Sheftel, Mara Getz, Rachel Margolis, and Ashton M. Verdery. "Life Events and Loneliness Transitions Among Middle-Aged and Older Adults Around the World." The Journals of Gerontology: Series B 79.1 (2024): gbad149. https://doi.org/10.1093/geronb/gbad149
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[背景・目的] 目的成人の孤独は重大な社会問題であり、世界中の政策立案者の関心事となっている。我々は、中高年の孤独感発症の予測因子が、世界各地域の様々な状況において、国によって異なるかどうかを評価する。ライフコースの観点から、パートナーシップ、同居、仕事、健康の変化など、対象年齢層における一般的なライフイベントに焦点を当て、それらの変化が孤独感発症と同等の前向き関連性を持つかどうかを各国で検証する。
[方法] 我々は、20カ国における7つの調和されたクロスナショナルスタディで調査された、世界の多様な地域からの回答者レベルのデータを利用している。我々の革新的な縦断的アプローチにより、前向き移行確率モデルを推定し、各ライフイベントがどのように孤独への移行を予測するかを検証した。
[結果]
■ 国別の各孤独ステージの予測確率
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■ 孤独への移行に対する危険因子
・孤独の有病率やライフイベントには、サンプルに含まれる様々な国においてかなりのばらつきがあるにもかかわらず、我々の結果は、孤独への移行を予測する要因に一貫性があることを浮き彫りにした。
・未亡人、離婚、同居の解消のような家族や家庭の変化は、どのような環境においても孤独への移行を予測する最も重要な要因であり、仕事や健康の変化はよりマイナーで、普遍的な役割ではない。
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[考察] この結果は、これらの年齢における孤独感を決定する上で、家族や家庭のつながりが重要であることを示している。これらの知見は、後期高齢者の孤独に対処するには、重要なライフイベント、特に家族や家庭の変化に焦点を当てる必要があることを示唆している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
以前にも、孤独の危険因子に関する文献抄読をしたことがある。
その危険因子には、身体機能低下やADL低下といったライフイベント以外も含んでいた。
ただ、最も危険とされたのは配偶者なし、や一人暮らしといったライフイベント系の項目だった。
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今回の研究は、どのライフイベントが孤独への移行にとって危険なのかという部分だけに焦点を絞った調査だった。
その結果、未亡人、離婚、同居の解消といった家族がらみのライフイベントが孤独への移行に大きな影響を与えていた。
このようなライフイベントの有無は、患者の基本情報、病前生活を把握する中で、重要な情報となってくるだろう。
イベントを持つ患者さんに対しては、他者との交流を含む介護サービスの提案などが重要になりそうだ。
かなりミクロで個人的な出来事なのだが、最近、妻と子どもが諸事情で実家に帰っている(喧嘩とかそういう類ではない)。
そこで、一人家にいると、確かにとても孤独だし、何よりコミュニケーションの頻度が激減する。
笑顔でいる瞬間も激減する、ただ、自分自身の深淵と対峙することになる。
そういう時間も必要なのかもしれないが、全部でなくてもいい。
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
📕孤独への移行. 危険因子となるライフイベント(LE)
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) March 9, 2024
・20カ国における横断研究
・各LEと孤独への移行の予測を検証
🔹孤独段階の予測確率:日本はあまり孤独率が高くなかった
🔹危険因子となるLE:未亡人, 離婚, 同居の解消
家族や家庭の変化は, 孤独への移行を予測する重要な要因です😲 pic.twitter.com/hg8zEnKGIi
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