モーツァルト効果。解剖学教育に有効だった
📖 文献情報 と 抄録和訳
解剖学教育における「モーツァルト効果」とBDNFレベルとの関係の分析
[背景・目的] 1993年、モーツァルトのソナタK448を10分間聴いたボランティアの空間IQスコアが上昇することが観察され、この現象は "モーツァルト効果 "として文献に載った。他の研究でも、この効果は空間技能テストにおいて特に顕著であることが示されている。空間的能力が解剖学学習の成功に関連するという証拠は、多くの研究で示されている。
[方法] この研究では、カスタモヌ大学医学部の学生(84人)を2つのグループに分け、30日間にわたる16時間の実習を行った。一方のグループはすべてのレッスンでモーツァルトのK448ソナタをBGMとして聴き、対照グループは標準的な形でレッスンを受けた。各レッスンの最後には、解剖学的構造を含む修正メンタルローテーションテストを全生徒が解いた。研究開始前、最初の実験授業の後、研究開始15日目と30日目に参加者から採血を行い、血漿中の脳由来神経栄養因子(BDNF)濃度を測定した。
[結果] メンタルローテーションスコアと血漿BDNF値に対する時間の影響は有意であった(いずれもp<0.001)。また、群の影響も有意であった(いずれもp<0.001)。一対比較では、5回目、6回目、7回目、8回目の精神回転テスト(それぞれp<0.001、p=0.041、p<0.001、p<0.001)、3回目(15日目)と4回目(30日目)のBDNF測定(いずれもp<0.001)で有意性が認められた。
[結論] この結果は、特定のBGMが解剖学教育に有用であることを示しているのかもしれない。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
音楽とは、不思議な力を持っている。
これまでの文献抄読においても、音楽によって『歩行をテンポアップ』したり、『認知症者のBPSD症状を緩和』したり、『回復に好影響』を与えたり、『疼痛を軽減』させたりという威力を知ってきた。
今回の抄読研究は音楽の力は、学力・学習にも影響を与えることを示してくれた。
その効果の名前はモーツァルト効果というらしい。
モーツァルトをはじめとするクラシックを聴きながら学習をするだけで、学習効果が上がり、今回の研究の結果、BDNFレベルが上がるのだという。
色んなBGMを聴きながら勉強をしているが、これからの第一選択は、まずクラシックにしてみたいと感じた。
僭越ながら、いまもモーツァルトを聴きながら書いているw。
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