脛骨神経の分岐パターン
📖 文献情報 と 抄録和訳
脛骨神経の分岐パターンと深腓骨神経に対する分岐の適合性
[背景・目的] 神経喪失による落下足を発症した場合、足部装具、腱移植、神経移植などの方法が用いられている。一方、神経移植は近年検討されている。本研究の目的は、脛骨神経運動枝、特に足底筋運動神経が深腓骨神経移植に適しているかどうかを検討するために、脛骨神経の分岐パターンとその枝の特徴を調べることである。
[方法] 使用した固定屍体は36体である。脛骨神経運動枝を観察し、総腓骨神経とその分岐部における枝の長さ、分布、太さを測定した。
[結果] ヒラメ筋、腓腹筋外側頭、腓腹筋内側頭に供給する脛骨神経の運動枝を調査し、以下3つの異なる分岐形態を発見した。
[結論] 今日、下肢脱落は非常に一般的である。従来の治療方法では不十分である。神経移行は、患者の予後を改善し、社会復帰を早めることができる応用と考えられている。我々の調査では、ヒラメ筋の神経が神経移行の最良の候補であることが示された。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
「ペルソナ(persona)」という概念を知っているだろうか。
ペルソナとは、マーケティングにおいて活用される概念で、「自社製品・サービスのターゲットとなる架空の人物像を、具体的なイメージに落とし込んだもの」を指す。
ペルソナを活用すると、実際の顧客が何を感じ、考え、どう行動するのかがイメージしやすくなり、商品開発や顧客体験の向上施策に反映することができるらしい。
要は、「架空のモデルをつくる」ということ。
さて、僕たちも患者さんを相手にしているとき、無意識に『ペルソナ』を持っているだろう。
特に、目に見えない解剖学や生理学の領域においては。
どういうことか。
たとえば、今回の脛骨神経を例に考えてみる。
脛骨神経の走行を考えてみてほしい。
・・・、そこだ!
いま、教科書上の記憶を引っ張り出して、人体構造をイメージとしたと思う。
それこそが、あなたの『ペルソナ』である。
つまり、解剖学で学んできた、典型的な人物像(ペルソナ)でもって、目に見えない解剖学や生理学の世界を頭の中で透過するようにして患者さんの身体を見ている。
だが、残念なことに、ペルソナはおおよそ1つなのだ、教科書上の知識は固定的で多様性を持ちにくい。
今回の抄読研究によれば、少なくとも脛骨神経の分岐パターンは大きく3つある。
更に、その3つの中においても詳細な違いがあるらしい。
解剖学的なペルソナを構築する場合、その構造的特徴には多様性を持たせた方が良いかもしれない。
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