プレ認知課題で持久力運動のパフォーマンスをアップ!
📖 文献情報 と 抄録和訳
事前の脳持久力トレーニングが持久力運動のパフォーマンスを向上させる
[背景・目的] 脳持久力トレーニング(BET)は、MFに対する回復力を構築し、持久力パフォーマンスを向上させるためにデザインされた、精神的に疲労する認知課題を系統的に反復することを説明する。これまでのエビデンスによると、身体トレーニング中にメンタルプラクティスを行うことで、トレーニング後の運動パフォーマンスが向上することが示されているが、このような同時並行的なBETアプローチは、すべての場面で実用的であるとは限らない。そこで本研究では、フィジカルトレーニング前のメンタルトレーニング(プレ認知課題)が運動パフォーマンスに及ぼす影響を評価した。
[方法] 無作為化対照試験デザイン:プレテスト、トレーニング(介入群、対照群)、ポストテスト。テスト前とテスト後のセッションで、参加者は、できるだけ大きな力を発生させることが要求される5分間のリズミカルなハンドグリップ課題、20分間の2バックワーキングメモリー課題、さらに5分間のリズミカルなハンドグリップ課題を行った。参加者は、介入群(n=12)と対照群(n=12)に無作為に割り付けられた。両群とも5週間(週4回)、同じサブマキシマムリズミックハンドグリップトレーニングを行った。介入群では、各最大下運動トレーニングセッションの前に、20分間の認知トレーニング(2バックワーキングメモリー課題、不一致色単語ストループ課題)も行った。
[結果] 持久力パフォーマンスは、対照群(12%)よりも介入群(24%)の方が向上した(p<0.05)。
対照群と比較して、介入群はテスト後の運動課題中に高い前頭前野酸素化を示した(p < 0.05)。
両群とも、労作、モチベーション、心拍数、心拍変動は同じであった。
[結論] プレ認知課題は、フィジカルトレーニング単独よりも持久的パフォーマンスを向上させる。プレ認知課題の効果は、少なくとも部分的には、前頭前野の酸素化の改善によって説明できるかもしれない。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
自転車を漕いでいるとき、アイデアを思いつくことが多い。
軽運動は、脳を活性化させ、認知パフォーマンスを向上させるわけだ。
今回の研究は、その真逆の効果があることを示した。
すなわち、認知課題を事前に行うことで、続く身体パフォーマンスがアップする。
これを臨床応用するとどうなるだろうか。
①患者さんにリハ前にナンプレなど認知課題をやってもらう
②PTの前にSTを入れて、認知課題をこなしてもらう
などが考えられた。
現実的に、これらに取り組めれば、PT介入中の身体パフォーマンスはアップし、結果的に介入効果増大につながることだろうと思う。
介入の種類とその順番、そこにも科学がある。
⬇︎ 関連 note✨
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓
‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●○
#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び