半月板周囲の血管を見よ!
📖 文献情報 と 抄録和訳
半月板の血管新生:半月板周囲アーチに関する記述的研究
[背景・目的] 半月板の血管新生については、特にその起源については、十分に文書化されていない。この死体研究の目的は、半月板の動脈血管新生の起源を記述することである。
[方法] これは人体標本を用いた解剖学的研究である。20膝が使用された。被験者の平均年齢は82.7歳(56~97歳)であった。10膝にはラテックス・ネオプレンが注入され、10膝には墨汁を混ぜた着色ゼラチンが注入された。すべての症例において、解剖には同じプロトコルが使用された。
[結果] 半月板の血管は膝窩動脈から分岐する中膝窩動脈などから供給されている。膝窩動脈の上内側、上外側、下内側、下外側、および中膝窩動脈には一定の経路がある。2番目の中膝窩動脈は55%の症例で認められた。下外側膝窩動脈は半月板の外周に沿って走っていた。内側下膝動脈は近位脛骨骨幹部に沿って走行していた。すべての剥離において、中膝下動脈の下から、これまで報告されていない小さな動脈が起始していた。この動脈は関節包外を走行し、内側半月板の周辺に沿って走行していた。この動脈は「内側半月包動脈」と命名された。膝窩動脈は、半月板の関節周囲に広範な吻合血管を形成しており、そのため「半月板周囲動脈弓」と呼ばれている。外側半月板周囲動脈弓は主に下外側膝窩動脈から供給されており、内側半月板周囲動脈アーチは主に内側半月板動脈から供給されている。
[結論] 半月板周囲動脈弓は、膝の膝窩動脈と、これまで報告されていない動脈である「半月板動脈」によって形成される血管複合体である。これらのアーチは常に存在するが、その形成と分布は内側半月板と外側半月板の間で異なる。
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血流というのは、『治癒可能性』を考える上でとても重要だ。
それが途絶えてしまっては、水が与えられない植物のように、自然に朽ちてしまう。
その点で、大腿骨頸部内側骨折におけるGarden分類はその後の治療方針にとって大変重要なものだ。
その分類は、大腿骨頭への残存血流と関連するものだから。
だからこそ、あらゆる組織において、血流特性を把握しておくことが大切だ。
今回の抄読研究によって、半月板周囲の血管分布がビジュアルとして示された。
個人的な印象としては、思った以上にしっかりと血管が分布されているように感じた。
注意点として、以前の文献抄読においては、年齢によっても血管分布が異なってくるようなので、経時的な変化も視野に入れたい。
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