米国老年医学会誌に掲載。遠隔医療利用のガイドライン
📖 文献情報 と 抄録和訳
高齢者のためのテレヘルスの原則とガイドラインの開発: 修正デルファイ法
[背景・目的] COVID-19の大流行により、遠隔医療は高齢者のための一般的なケア提供方法として注目されるようになった。しかし、遠隔医療によるヘルスケア提供のためのガイドラインやベストプラクティスは不足している。高齢者にとって遠隔医療が安全で効果的、かつ公平であることを保証するための原則とガイドラインが必要である。
[方法-結果] プロバイダー、老年医学、テレヘルス、アドボカシーの専門家からなるCollaborative for Telehealth and Aging (C4TA) は、高齢者にテレヘルスを提供するための原則とガイドラインを作成した。C4TAのメンバーは、修正デルファイ法を用いて、3つの原則と18のガイドラインを特定した。
■ 第一に、ケアは個人中心であるべきである
・遠隔医療プログラムは、高齢者の目標、家族や介護者、言語特性、技術を使う準備と能力を考慮し、高齢者のニーズと好みを満たすように設計されるべきである。
■ 第二に、ケアは公平でアクセスしやすいものでなければならない
・遠隔医療プログラムは、公平性とアクセスの問題を考慮し、高齢者のケアに対する個人的およびシステム的な障壁に対処すべきである。
■ 第三に、ケアはシステムや人々を超えて統合され、調整されるべきである
・遠隔医療は断片化を制限し、データ共有を改善し、利害関係者間のコミュニケーションを増やし、労働力と財政的持続性の両方に取り組むべきである。
[結論] C4TAのメンバーは、多様な視点と専門性を持っているが、高齢者の生活を向上させるという共通のコミットメントを持っている。C4TAの提言は、高齢者のニーズを強調し、プロバイダーや医療システムがそのニーズに応えるために実行可能なステップを踏むためのロードマップを作成する。次のステップとしては、実施戦略の開発、高齢者に対する現在の遠隔医療実践の文書化、推奨事項の普及、実施、評価を支援するためのコミュニティの形成が含まれる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
以前、「日本老年医学会による、遠隔医療利用のステートメント」がGeriatrics & Gerontology International誌から出版され、抄読した。
今回は、米国老年医学会誌(Journal of the American Geriatrics Society)に掲載された、遠隔医療利用のガイドラインである。
昨今、遠隔医療の効果がリハビリテーション領域においても対面リハと比較されるなど、検証が進んでいる。
COVID-19は遠隔医療の必要性を痛いほど知らしめ、普及の速度を異常なものにした。
だが、普及に伴い必要なことは「法整備」だ。
力愛不二、という言葉がある。
力なき愛は無力、愛なき力は暴力。
遠隔医療の利用が、無法地帯であまりにも自由に行われたら、その中には暴力とも呼べるものが含まれてしまうかもしれない。
いま、日米、いや世界中で、インフラを整備するための工事の音が鳴り止まない。
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