知的謙虚さ。Intellectual Humility
📖 文献情報 と 抄録和訳
知的謙虚さ:自分の信念の誤りを認識し、自分の限界を自覚することで、理学療法士と障害者とのより良い関係が生まれるかもしれない
■ 知的謙虚さと理学療法についてのトピック
・知的謙虚さは、反省的思考、好奇心、開放的思考、学習に対する内発的動機づけなどの特徴と関連している(📕Krumrei-Mancuso, 2020 >>> doi.)
・理学療法士は非障害者であるため、理学療法士が障害について知り得ることには限界がある。
・知的謙虚さは、理学療法士に対して、障害を持つ人々が彼ら自身の経験の専門家であることを認めるよう挑戦するものである。
・これは、理学療法士が「障害を知っている」という考えとは対照的である(📕Roush, 2011 >>> doi.)
[その他のレビュー概要] 専門職の歴史における多くの進歩にもかかわらず、理学療法 は依然として障害とやや逆説的な関係にある。理学療法士の専門職は、障害を多様性として評価するが、障害者の機能性を促進する主な手段として、身体機能の正常化に焦点を当て続けている。この焦点は、医療化された障害観と一致しているため、理学療法士が障害者に、機能的目標を達成するための代替的でありながら効果的な知覚運動戦略を探求する力を与えることを妨げている可能性がある。さらに、最近の研究では、理学療法士および理学療法士助手の障害者に対する暗黙の否定的な偏見が文書化されており、これもまた障害は不完全に機能する身体の産物であるという医学化された見解と一致している。どのような専門職においても、支配的な根底にある信念は、非常に広範であるため、しばしば対抗することが困難であり、そのような信念は強化される可能性があり、異議を唱えるとより強くなる可能性がある。この展望記事の目的は、理学療法士に心理学の新構成概念である知的謙虚さを紹介することであり、これは専門職と障害との関係を促進するのに役立つ可能性がある。知的謙虚さは、自分の信念や関連する実践の誤りを認識することを前提とする。知的謙虚さは、理学療法が障害のパラドックスに対処し、障害に関する多くの支配的な考え方の基盤となっている暗黙の態度に立ち向かうための有望な構成要素である。この視点は、行動科学、社会科学、哲学、批判的障害学からの見解と証拠を統合し、障害に関する専門職の継続的な進化に貢献するものである。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
賢人と思われる先人達は、『自分を疑え』のメッセージをたくさん発している。
今回の文献抄読で、その部分に名前がついた。
『知的謙虚さ』、これを強めていかなければならない。
特に、理学療法士として「障害の専門家」などと思ってはいけない。
なぜなら、理学療法士はなんといっても、障害を経験していない者、であるから。
むしろ障害の専門家は、患者さんの方で、そちら側の眺めから教えてもらうことばかりだ。
そういう認識。持ち続けたい。
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