高齢者のスマート住宅
📖 文献情報 と 抄録和訳
高齢化社会におけるデジタルヘルス
[レビュー概要] 平均寿命の延びは社会的に重要な課題であり、これまで以上に緊張した医療制度に負担を強いている。デジタル技術は、従来の医療ルーチンから遠隔医療へとシフトし、高齢化する集団の健康と自立を管理する我々の能力を変革する上で、非常に大きな可能性を提供する。この展望では、効果的な老年医療にデジタル技術を活用するための現在の進捗状況、課題、そして今後の可能性についてまとめる。特に、高齢者の健康状態をモニターし、自宅での自立を維持するための支援におけるウェアラブルの役割に注目する。また、このようなデジタル技術が健康的な高齢化の未来をどのように形成していくかという展望とともに、このような集団におけるデジタル技術の将来的な普及に向けた課題についても議論する。
■ 加齢に関連した病状と現在測定可能な指標
■ 身体装着型センシングデバイスの種類
(i) アップルウォッチ, (ii) Ouraリング, (iii) Philips VitalPatch, (iv) ウェアラブル超音波パッチ, (v) モバイル心臓外来テレメトリーECGセンサー, (vi) Sensoriaフィットネススマートソックス, (vii) Dexcom CGM, (viii) 統合型ウェアラブルセンサーアレイ, (ix) ウェアラブルマイクロニードルアレイ, (x) Orpyx Insoles足底圧センサー
■ 在宅中心の老人介護の未来像:Smart Home for Older Adults
・デジタル技術とデバイスを活用した、在宅中心の老人介護の未来像。
・インターネットに接続されたセンサーのネットワークが、高齢者の健康状態を監視し、クラウドサーバーに豊富な動的データを送信する。
・そのデータは機械学習アルゴリズムによって分析され、遠隔介護者や自律型ウェアラブル治療機器と連携し、最適な健康管理を目指す。
・このようなケアは、医師とのバーチャルな面会、音声制御のパーソナル・アシスタント、ソーシャル・ロボットやアシスト・ロボットによってサポートされる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
以前より、“人間機械論”という考え方を提唱している。
近年の技術はますます発展し、人間のミクロな仕組みを明らかにしつつある。
その過程でわかってきたことは、そこにはしっかりとした仕組みがあり、歯車が全体を動かすが如く、機械仕掛けであるということ。
すなわち、人間は、機械に近づきつつある。
一方で、“機械人間論” の立場もある。
近年のウェアラブルデバイスやロボットは、さながら人間の四肢の一部をなすが如くである。
温度を感知する義手が開発されたり、機械はどんどん人間の機能を実現しつつある。
機械が人間の失われた機能を補填する、いやむしろ超越する日も近いかもしれない。
さて、今回の論文のテーマ、高齢者におけるデジタルヘルス。
老年期には、人体のもつナマの機能が、徐々に不具合を起こしがちである。
そこで、役立ってくるのがウェアラブルデバイスである。
人間自体が持つセンサー機能が鈍化したとしても、デバイスが補填してくれる。
そして、それを住宅の形として美しい図で表現した「スマート住宅」は圧巻である。
さすが、Nature Medicineと唸った。
視覚的イメージは、言語より鮮烈である。
この1つの図によって、未来の高齢者が住む住宅や取り巻く環境が想起された。
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