1人じゃダメでも、2人ならできる:身体活動量を高める共同計画
▼ 文献情報 と 抄録和訳
個人的、二人的、あるいは協力的な計画は、座りがちな行動を減らすことができるか?無作為化比較試験の結果
Szczuka, Zofia, et al. "Can individual, dyadic, or collaborative planning reduce sedentary behavior? A randomized controlled trial." Social Science & Medicine 287 (2021): 114336.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
✅ ハイライト
・運動計画を立てることで、座りがちな行動に費やす時間を減らすことができるかもしれない。
・共同計画 & 共同行動で座りがちな行動の時間が減少した(加速度計で測定)。
・個人および二人一組の計画のみは、座位時間に影響を与えなかった。
[概要] 理論的根拠個人の計画的な介入が身体活動(PA)に及ぼす効果はよく知られているが、計画的な介入と座位行動(SB)との関係についてはあまり知られていない。
[方法] 本研究では、個人計画、二人計画(共同計画のみで共同行動はなし)、共同計画(共同計画と共同行動の実施)が二人組の座位行動に及ぼす効果を評価した。二人組(対象者とそのパートナー、18~90歳、N=320)を、3つのPAプランニング条件(個人、二人組、協調)とアクティブ(教育)コントロール条件に無作為に割り付けた。主なアウトカムとして、ベースライン時、1週間後、36週間後に、GT3X-BT加速度計を用いて、座位時間、SBと軽い強度のPAに費やす時間の割合、SBに費やす時間の割合、全PAを測定した。対象者とパートナーに分けて、測定点を参加者に入れ子にした2水準モデルを当てはめた。
[結果] 1週間後の追跡調査で得られた対象者の結果によると、共同計画条件では、SB時間が対照条件に比べて有意に減少した(p = 0.013)。また、SBと軽度のPAに費やす時間の割合(p=0.019)、SBと全PAに費やす時間の割合(p=0.018)に改善が見られ、SBの時間がPAに置き換えられたことが示された。対照条件と比較して、個人およびダイアドのプランニングの効果は有意ではなかった。いずれの介入も、36週間後の追跡調査では、SBの指標に有意な効果はなかった。二人組のパートナーについては、1週間後および36週間後の追跡調査において、対照条件と比較して、計画的な介入の効果はなかった。
[結論] 協調的計画は、ベースライン時にPAガイドラインを遵守していなかった対象者において、SB時間の短期的な削減を促し、結果としてSB時間とPA時間のより健康的なバランスへのシフトをもたらす可能性がある。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
僕の大好きな本「独学大全」の中で、『他人は意志にまさる』という章がある。
そこでは、自分の計画を他人に宣言するコミットメントレターやゲートキーパーとして他者に管理を依頼することなどが紹介されていた。
今回の論文が示したことは、「計画を立てたり共有したりするだけでは効果は小さく、『一緒にやる』ことにこそ効果がある」だ。
本気で何かを続けたい、そう思ったなら、誰かを巻き込み、『一緒にやる』ことが強く推奨される。それこそが、最も強力な社会的なオデュッセウスの鎖として僕たちを望ましい行動につなぐ。
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