ミュラー・リヤー錯視。屋外階段に使ってみた!
📖 文献情報 と 抄録和訳
ミュラー・リヤー錯視が階段昇降におけるToeクリアランスの高さに及ぼす影響について
[背景・目的] 階段の外観は階段昇降の安全な交渉に影響を与えることがある。つま先の高さを高くすることは、階段でつまずくリスクを低減するための一般的な方法である。ミュラー・リヤー錯視は、階段の上を歩くときにつま先のクリアランスを大きくするように人々に働きかけることができるか?
[方法] 屋内にて、健康な人15名(女性9名、男性6名)が、幅60cm、高さ18cm、奥行き30.5cmの3段の階段を上った。屋外では、253名が幅6m、高さ15cm、奥行き38cmの2段の階段を上った。屋内と屋外の両方で、Fin out(ミュラー・リヤー錯視条件)、Fin in、Line、Controlの4つの視覚条件が表示された。
[結果] Fin outの階段は、他のすべての階段の表示条件よりも高く感じられたが、屋内でのテストでは、つま先のクリアランス高さは表示条件間で差がなかった。しかし、屋外の階段では、他のすべての条件と比較して、フィンアウトの条件でつま先のクリアランス高さが大きくなった。
[結論] ミュラー・リヤー錯視は、歩行者が撮影されていることに気づかず、課題に関する知識もない自然環境において、歩行者のつま先立ちの高さに大きな影響を与えることが明らかになった。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
僕たちの感覚は、世界をあるがままに捉えているのではない。
僕たちが生活しやすいように、加工して、再構築された世界を生きている。
ミュラー・リヤー錯視はその分かりやすい一例だ。
そして、人間にできることは、原理原則を創り出す0→1の仕事ではない。
創造の仕事は、大いなる自然の力であり、人智を超えたところにある。
人間にできることは、原理原則を知り、現実を改変・加工する1→2の仕事だ。
今回の著者らによる仕事は、まさにそうだった。
ミュラー・リヤー錯視という人間に備わった仕組みを生かして、弊害を回避する術を提案した。
その術は、既存の階段を加工し、Toeクリアランスを高めるというものだった。
いま、目の前の環境。
原理原則をもっと知り、活用できれば、解決される問題も多いかもしれない。
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