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ゴルフのエネルギー消費。3つのクラブ移動手段による違い

📖 文献情報 と 抄録和訳

競技ゴルフ中の活動エネルギー消費量の評価: バッグの持ち運び、電動トロリー、手動トロリーの影響について

📕Kasper, Andreas M., et al. "Assessment of activity energy expenditure during competitive golf: The effects of bag carrying, electric or manual trolleys." European Journal of Sport Science (2022): 1-8. https://doi.org/10.1080/17461391.2022.2036817
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[背景・目的] ゴルフは世界中でプレーされているスポーツで、イギリスとアメリカ国内だけでも4260万人がプレーしていると言われている。現在までに、ゴルフのエネルギー消費に関するデータは限られている。

[方法] 本研究では、高水準(ハンディキャップ5以下)のゴルファー16名を対象に、ゴルフバッグを背負う(back carrying, BC)、手押しトロリー(manual push trolley, MT)、電動トロリー(electric trolley, ET)(Stewart Golf, Gloucester, UK)のいずれかで3ラウンドの競技ゴルフを行い、活動エネルギー消費(activity energy expenditure, AEE)を評価した。各ラウンドの前に、参加者はActiheart®加速度計(Camntech, Fenstanton, UK)を装着してAEEを推定し、各ラウンド後に知覚疲労度(RPE)および楽しさの評価を収集した。データは、一元配置の反復測定ANOVAを用いて分析し、ヘッジスg効果量(ES)を算出した。

[結果] 平均(SD)AEEは、BCで688±213kcal、MTで756±210kcal、ETで663±218kcal(p = .05)だったが、これらの違いは小さいかそれ以下とみなされた。ETの条件では、平均心拍数が最も低く、BCまたはMTからそれぞれ中程度または非常に大きくなった。また、ET条件では、自覚的労力が最も低かったが、楽しさには有意な差はなかった。以上のことから、3条件間のAEEには有意差があり(p = .05)、電動トロリー使用時に知覚労力と最大HRが最も低くなることが報告された。

[結論] ゴルフは、クラブの移動手段に関係なく、一般住民の歩数を増やし、身体活動レベルを向上させる効果的な介入として考慮される可能性がある。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

お怪我をする前の運動習慣ってありましたか?
あるとすれば、それは何ですか?

男性の場合だが、結構の高確率で“ゴルフ”が出てくる。
そうすると、ぼくは少し困惑してしまう。
どう解釈していいか分からないからだ。
それは、ぼくにゴルフ経験がないという体感上の問題と、ゴルフというスポーツがどの程度エネルギー消費をもたらすかの知識が欠如しているという知識上の問題によってもたらされる困惑だ。

今回の研究は、後者の問題を解決してくれる可能性がある。
ゴルフは、1日で700kcal程度のエネルギー消費量があるらしい。
散歩30分間の消費カロリーが体重60kgの人で110kcal程度。
その6倍以上・・・、相当なエネルギー消費だ。
ゴルフというスポーツの量的なイメージが少し立体的になった。

今回は、ゴルフクラブの移動方法に着眼していたが、もっとその手前に「歩いて移動するかゴルフカートで移動するか」という着眼点があると思う。
これは、だいぶエネルギー消費量に影響があると思われし、行動に影響を与えうるテーマだ。
アンテナを立てておこうと思う。

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