Work-Family Conflict。トレーナーの仕事-家庭間の葛藤
📖 文献情報 と 抄録和訳
大学アスレティックトレーナーにおける仕事と家庭の葛藤と家族の役割のパフォーマンス
[背景・目的] ワークライフバランスは、アスレティックトレーニング研究の焦点であり続けている。多くの文献があるにもかかわらず、特に家族役割遂行(family role performance, FRP)の領域では、まだ未解明な点が多い。
●目的:大学に勤務するアスレティックトレーナーの仕事と家庭の葛藤(work-family conflict,WFC)、FRP、およびさまざまな人口統計学的変数の関係を検討すること。
[方法] 調査計画横断的オンライン調査。設定大学の環境。患者またはその他の参加者大学アスレティックトレーナー586名(女性=374名、男性=210名、性転換・非適合=1名、無回答希望=1名)。主要評価項目データはオンライン調査(Qualtrics)により収集され、参加者は人口統計学的質問と以前に検証されたWFCおよびFRP尺度に回答した。人口統計学的データは報告され、記述情報と度数について分析された。グループ間の差異を同定するためにマン・ホイットニーのU検定を実施した。
[結果] 参加者の平均得点は、FRP尺度が28.19±6.01点、WFC尺度が45.86±11.55点であった。Mann-WhitneyのU検定により、WFC得点の男女差が明らかになった(U = 344 667, P = 0.021)。FRP得点はWFC総得点と中程度の負の相関を示し(rs[584] = -0.497, P < 0.001)、WFC得点を予測した(b = 72.02, t582 = -13.30, P = 0.001)。
マン・ホイットニーのU検定では、既婚のアスレティックトレーナー(47.20±11.92)は、未婚のアスレティックトレーナー(43.48±11.78;U=19847.00、P=0.003)よりもWFCスコアが高いことが示された。Mann-Whitney U分析(U = 32 096.00、P = 0.001)でも、子どものいる大学のアスレティックトレーナー(48.16±12.44)と子どものいないトレーナー(44.68±10.90)の間に差があることが明らかになった。
[結論] 大学アスレティックトレーナーは、結婚して子どもを持つことで、より多くのWFCを経験した。私たちは、家庭を築き、人間関係を築くために必要な時間が、時間の不一致によるWFCを引き起こす可能性があることを提案する。アスレティックトレーナーは家族との時間を大切にしたいが、そのような時間が非常に制限されている場合、WFCは増加する。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
“ワークライフバランス”、が叫ばれはじめて久しい。
ぼくはその言葉を、少し冷めた目でみている。
なぜなら、考察の冒頭で述べたような価値観をもっているから。
ワークライフバランスなど、存在しない。
なぜなら、この人生の全てが仕事であり、ライフでもあるから。
そこに境界線はないし、二分されていないものにバランスということも存在しえない、と。
でも、ワークファミリーバランスは、あると思った。
これは分かりやすい。
そりゃ家族と接する時間だって、人生の仕事だ。
だが、家族と接する時間というのは、明らかに存在する。
そして、それに別離する概念としての仕事がある。
そして、限られた1日(24時間)の中に、この両者のせめぎ合いがある。
そのせめぎ合いの渦中にいる人には、当然、葛藤が生じる。
Conflict, Conflict…。
そのすべてがやりたいことだよ。
だけど、枠は明らかに足りていない。
そのまま人生は進んでゆく。
終わりのない、1mmずつの漸進。
葛藤か…。
“葛藤がある”ことが、悪いこととは思わない。
“葛藤がない”ことを、良いこととも思わない。
だって、その葛藤という摩擦が熱となり、
その熱が蒸気機関でもって人間を動かすから。
すべて葛藤を焚いて、人は前に進んでいる気がする。
そうだ。
今日だって僕は!
葛藤の中で生長しようと、
懸命に、にじり歩いている。
(ギシギシ・・・、ガラッ)
あっ!子どもが起きてきた。
仕事は、…ここまでだ。
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