歩行中の足底圧分布
📖 文献情報 と 抄録和訳
歩行時の足の形態と足部荷重の関係
[背景・目的] 足の形態と負傷リスクの関連性が認識されたことで、多くの足型判定法が開発されるようになった。本研究の目的は、年齢、性別、歩行速度を共変量として考慮しながら、歩行中の無症候性成人の足部荷重の地域的変動を、異なる足型判定法がどの程度正確に説明できるかを判断することである。
[方法] 6つの方法を用いて、92人の無症候性成人(アメリカ)を対象に足型を判定した。インソール圧力センサーシステムで、各自のペースでトレッドミル歩行中のピークフォースとフォース・タイム積分を測定した。足は9つの領域に分けられ、足型と足への負荷の関連性は、共変量を考慮しながら一般化推定方程式(GEE)を用いて分析された。
[結果] 各被験者平均250歩の歩行について、足への負荷の各領域と足型の関連性にはばらつきがあることが示された。
■ 歩行中の足底圧の分布:性別, 年齢層別
・全体的に2nd/3rd中足骨頭部と内側踵部で高い足底圧を認めた
・特に男性と若年層でその傾向が顕著
・女性と高齢層では、内側前足部の足底圧が高い傾向
■ 足の形態と歩行時の足部荷重の関係
・アーチ指数とX線アーチタイプは後足部と中足部の荷重と相関し、足部姿勢指数は内側の中足部、前足部、およびつま先の荷重と相関した。
・踵骨ピッチとメアリー角は内側後足部、中足部、および前足部の荷重と相関し、内反/外反角は前足部とつま先の荷重と相関した。
[結論] 関連する部位と方向は、踵骨ピッチ、Meary角、X線アーチタイプについては概ね同様であり、アーチ指数についてはその逆であった。この分析により、歩行速度、年齢、性別は、足底荷重と足型との関係に影響を与える重要な要因であることが示された。特定の足型評価法は、特定の足部の荷重との相関性が高く、それらの部位における損傷リスクの評価に適している可能性がある。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
そう言われたなら、こう答えるだろう。
だが、もしかしたらそれは誤っているのかもしれない、と今回のデータを見て感じた。
このデータによれば、「後足部内側→中足部中間部→前足部中間〜外側」の圧力が高かった。
教科書的知識でもっていた常識と現実の間のギャップ。
これは、どういうことだろうか。
今回の研究のテーマでもある、足部形態による違いも影響しているだろう。
そして、対象となった92人の健常成人が、果たして理想的な歩行、足部荷重ができていたのかということもある。
思った以上に、理想的な荷重分布をしている人というのは少ないのかもしれない。
そうなると、正常な、標準的な荷重分布はどちらになるのだろうか。
だんだん、よく分からなくなってきた・・・、勉強を続けたい。
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