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臨床予測モデルの開発。13ステップのガイド
📖 文献情報 と 抄録和訳
臨床予測モデルの開発:ステップバイステップガイド
📕Efthimiou, Orestis, et al. "Developing clinical prediction models: a step-by-step guide." bmj 386 (2024). https://doi.org/10.1136/bmj-2023-078276
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[レビュー概要] 患者の将来の転帰を予測することは臨床に不可欠であり、毎年多くの予測モデルが発表されている。経験的な証拠によれば、発表された研究にはしばしば深刻な方法論的限界があり、それが有用性を損なっている。この論文では、研究者が臨床予測モデルを開発し、評価するのに役立つステップバイステップのガイドを示す。このガイドは、目的とユーザーの定義、データソースの選択、欠損データへの対処、代替モデリングオプションの検討、モデル性能の評価におけるベストプラクティスを網羅している。再発寛解型多発性硬化症の例を用いてステップを説明している。包括的なRコードも提供されている。
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■ 臨床予測モデルを開発するための13ステップ
Step1. 目標の設定:予測モデルの目的を明確にし、対象とする人口、アウトカム、使用される医療の場、モデルの利用者などを定義する。臨床医、統計学者、エンドユーザーを含めたチームを形成し、既存の予測モデルや予後因子に関する文献を確認し、プロトコルの作成を開始する。
Step2. 新しいモデルの開発か既存モデルの更新かを選択:既存のモデルを外部で検証したり、利用可能なモデルを更新するか、まったく新しいモデルを作成するかを決定する。
Step3. アウトカムの定義:予測するアウトカムを明確にし、時間経過に伴う測定や連続変数を優先することで、情報損失を防ぐ。アウトカムを二分化することを避ける。
Step4. 候補となる予測因子のリスト化:専門家の意見や文献レビューを基に予測因子をリストアップする。因果関係が疑われる予測因子を優先し、二分化を避ける。
Step5. データ収集:測定エラーや予測因子の分布、欠測データの確認などを考慮しながらデータを収集する。
Step6. サンプルサイズの考慮:サンプルサイズの計算に基づいて、モデルで扱えるパラメータの数を決定する。
Step7. 欠測データの対処:欠測データがある場合、複数の方法で補完(インプテーション)を行う。
Step8. 予測モデルのフィッティング:予測モデルをフィッティングし、過適合を防ぐためにペナルティを適用することが推奨される。
Step9. モデル性能の評価:キャリブレーション(予測値と観測値の一致度)や識別力(異なるリスクレベルを識別する能力)を用いてモデルの性能を評価する。
Step10. 最終モデルの決定:様々なモデリング手法の中から、最も適切なモデルを選択する。
Step11. 決定曲線分析:予測モデルが臨床決定にどれだけ有益かを評価し、リスクと利益のバランスを取る。
Step12. 個々の予測因子の予測能力の評価:各予測因子がモデルの予測能力にどれだけ寄与しているかを確認する。
Step13. 結果の報告と公開:TRIPODステートメントに従い、モデルの開発と検証のプロセスを詳細に報告し、結果を発表する。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
我々の研究グループでは、これまで臨床予測モデルの開発、またシステマティックレビューでの調査を行なってきた。
そして、現在進行形で臨床予測モデルの開発に向け、データ収集を行っているところである。
そんな最中において、今回のようなBMJからの臨床予測モデルの開発ガイドはありがたい。
特に、Step by Stepのガイドになっているので、進捗に応じて確認しやすい。
このガイドを見ながら、臨床予測モデルの開発を進めていきたいと思う。
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
📕臨床予測モデルの開発ガイド
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) September 23, 2024
①目標設定, ②開発か更新か, ③アウトカム
④予測因子リスト化, ⑤データ収集, ⑥サンプルサイズ
⑦欠損データ処理, ⑧フィッティング, ⑨モデル性能
10. 最終モデル決定, 11. 決定曲線分析, 12. 予測因子評価, 13. 公開
本文にはRコードまであり, 参考にしたいですね😲 pic.twitter.com/WNPDMziOcs
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