脳卒中者における急性期退院後のリハビリ経路
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中ユニット退院後のリハビリテーション経路の違いによる長期的機能予後の予測
[背景・目的] スウェーデンの脳卒中病棟退院時にさまざまな種類のリハビリテーションを紹介することが、脳卒中後1年および5年の機能的転帰を予測できるかどうかを検討すること。
[方法] デザイン:登録に基づく縦断的研究。対象/患者 2011年に指標となる脳卒中を発症した5,118人を対象に、脳卒中発症後1年と5年の追跡調査を行った。機能的転帰のカテゴリー(自立、依存、死亡)を予測するための順序ロジスティック回帰モデルを作成した。主要予測因子は、自宅でのリハビリテーション計画、入院リハビリテーション、外来リハビリテーションであり、リハビリテーション計画なしを参照カテゴリーとした。
[結果] 計画的な外来リハビリテーションは1年後の自立(死亡と比較)を予測した。自宅での計画的なリハビリテーションは、1年後と5年後の自立(死亡との比較)を予測した。他の計画された経路と比較して、入院リハビリテーションが計画された参加者はより重症であり、計画された入院リハビリテーションは自立を予測しなかった。
[結論] 外来または在宅でのリハビリテーションを計画した方が、1~5年の経過で参加者がより効果的に自立を達成できるようであった。これは、入院リハビリを必要とする参加者に比べて、これらの参加者の状態がそれほど重度でなかったためと考えられる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
どの状態の患者が、どの経路に進んだ方が転帰が良いのか。
それは、回復期病棟で勤務する理学療法士にとっても、介護サービスなどを考える上で使う思考回路である。
今回の抄読研究においては、急性期病棟退院後のリハビリ経路によって長期的な機能的転帰が変わるかを調査した。
その結果として、自宅、外来でのリハは転帰がよく、入院でのリハは転帰が悪いことが明らかになった。
要因としては、やはり入院を選択する患者の重症度が高いことが推察された。
今回の場合には、対象となる患者の重症度などを規定しなかったために、このような結論となった。
しかし、似た状態の患者群でリハビリ経路と転帰を調査したら、違った景色が見えるだろうとも思う。
そして、その結果こそが知りたい情報であるとも思う。
このような調査方法、グラフの示し方があることを学んだ。
回復期病棟退院後の患者の介護サービスについて、類似の研究は需要が高そうだ。
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