Knee Gripのような、家庭用モバイルNMES
📖 文献情報 と 抄録和訳
膝の変形性関節症の管理のための新しいモバイルアプリベースの神経筋電気刺激療法。多施設共同無作為化二重盲検シャム対照試験の延長試験結果
[背景・目的] モバイルアプリを用いた神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation, NMES)は、12週間の無作為化二重盲検・偽薬対照多施設試験(親試験)で既に実証されているように、変形性膝関節症の有望な治療法である。
[方法] 12週間の親試験を終了した変形性膝関節症患者253名のうち64名を14週間の延長試験に登録し、引き続き、オリジナルの装置(「アクティブNMES」)または低電圧版(「偽NMES」)を用いた二重盲検在宅NMES(20分×2回、5日/週)を受けてもらった。延長試験に登録したすべての被験者をintent-to-treat集団とし、少なくとも2,800分(14週間のデバイス使用)NMESを適用(モバイルアプリとリモートポータルでコンプライアンスをモニター)した被験者をper-protocol therapyコンプライアンス集団としました。
[結果] プロトコール治療適合集団において、アクティブNMES群(n = 21)は、偽NMES群(n = 8)に比べて、Visual Analog Scale Nominated Activity(活動時の痛み)の減少(64.7%対24.3%、P = 0.020)、Visual Analog Scale Nominated Activityの50%以上の改善(76.2%対12.5%、P = 0.002)と高い効果があった。治療意図のある集団では、両群間に顕著な差はなかった。
[考察] NMES療法をさらに14週間(合計26週間)適用することにより、患者がNMESを完全に遵守した場合、顕著かつ臨床的に意味のある疼痛緩和が得られた。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
NMES治療における、重要点とは何だろう。
大きな1つとして、『電極貼付箇所』があると思う。
ターゲット筋におけるモーターポイントの近傍にしっかりと貼付される必要がある。
その中で、今回のデバイスは膝蓋骨をランドマークとしたKnee Grip様の装着スタイルとすることで、ズレを最小限に防いでいる様に感じた。
確かに、それならば位置はずれにくいだろう。
それがこのデバイスの出す効果の大きさの一因だと思われる。
今後は、ぜひ『個人差』に対応してほしいと思う。
モーターポイントは、個人差が大きいことが知られている(📕緒方, 2017 >>> doi.)。
例えば、携帯電話の強みとして、出力のみではなく入力と分析が可能、という点がある。
その強みを生かして、このデバイスにEMG的な機能を搭載し、モーターポイントの特定、そしてその部分に自動的に電気刺激を与えるシステム。
理想的だ。
というか、これができた場合、セラピストによるモーターポイントの特定より秀逸になる可能性が高い。
今後の発展を、注視していきたい。
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