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日本の高齢者の転倒予測モデル

📖 文献情報 と 抄録和訳

地域データを用いた高齢者の転倒予測モデルの開発と検証

📕Hayashi, Chisato, Tadashi Okano, and Hiromitsu Toyoda. "Development and validation of a prediction model for falls among older people using community-based data." Osteoporosis international (2024): 1-9. https://doi.org/10.1007/s00198-024-07148-8
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[背景・目的] 本研究は、マルチレベルモデリング分析を用いて、1年以上地域集団運動に参加している人の転倒予測ツールを開発した初めての研究である。このツールは、様々なレベルの転倒リスクを有する地域在住高齢者をスクリーニングする際に、医療従事者に役立つ可能性がある。目的:本研究の目的は、1年後の転倒リスクを予測するための計算ツールを開発し、地域ベースの集団運動に参加した個人のデータベースを基に、高リスクを検出するためのカットオフ値を求めることである。

[方法] 地域運動グループに参加した2381名の身体検査とキホンチェックリストのデータ合計7726件を後方視的に検討した。多段階ロジスティック回帰分析を行い、各危険因子に対する転倒のオッズ比を推定し、分散インフレーション因子を用いて共線性を評価した。感度と特異度の両方に基づいて、1年以内に転倒する可能性の高い個人を効果的に区別するカットオフ値を決定した。

[結果] 最終的なモデルには、年齢、性別、体重、バランス、介助なしで椅子から立ち上がる、過去1年間の転倒歴、窒息、認知状態、主観的健康状態、長期参加などの変数が含まれた。

我々のツールの感度、特異度、ベストカットオフ値は、それぞれ68.4%、53.8%、22%であった。

[結論] 我々のツールを用いて、1年間の転倒リスクを許容できる感度と特異度で予測することができた。高リスク集団の特定に用いるカットオフ値として22%を推奨する。本ツールは、様々なレベルの転倒リスクを有する地域在住高齢者のスクリーニングにおいて医療従事者に有益であり、予防およびフォローアップケアを計画する上で医師を支援する。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

日本の高齢者を対象とした転倒予測モデル。
とても大規模な研究で、予測因子としても使いやすそうな因子が多く実用的な印象を受ける。
さらに、秀逸だと感じるのが、転倒確率予測フォームというツールを作成していることだ。

現在、特許申請中ということで、まだ一般公開はされていないのだと思うが、研究結果が実用につながる一助となるツールだ。

今後は、別の研究グループによって外部検証されることが望ましいだろう。
7つの予測因子は、臨床上簡便に聴取 & 評価可能な項目なので、退院支援の一環としても使えるかも知れない。
これからの動向にも目が離せない研究である。

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