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2種類のトレーニング負荷

📖 文献情報 と 抄録和訳

トレーニング負荷を暴露量と投与量として理解する

📕Impellizzeri, Franco M., et al. "Understanding training load as exposure and dose." Sports Medicine (2023): 1-13. https://doi.org/10.1007/s40279-023-01833-0
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🔑 Key points
🔹曝露、用量、反応など、スポーツ科学や医学で使用される用語は、他の科学分野から派生したものである。
トレーニング負荷に関連した分類や枠組みは、疫学、薬理学、臨床研究など、因果関係の推論が利用される他の科学分野で使用されている定義や概念と一致している。
🔹負荷という用語は、用量(何かの量)に相当するが、生体に挑戦する要求という考え方も伝える。
🔹外的トレーニング負荷と内的トレーニング負荷は、概念的に、アスリートが行うこと(外的量)と、これらの活動によって引き起こされる心理生物学的反応(内的量)を区別する。
🔹他の分野と同様に、トレーニング負荷の測定は、パフォーマンス(または関心のある結果)と因果関係のある特性の改善を目的としたトレーニングプログラムの計画および実行を支援するための情報(例えば、媒介メカニズムに関する情報)を提供する必要がある。

[レビュー概要] スポーツ・運動科学や医学で使用される様々な用語は、疫学、薬理学、因果推論などの他の分野から派生したものである。概念的および命名論的な枠組みでは、トレーニング負荷は、2つの因果関係のある下位次元、すなわち、外的トレーニング負荷と内的トレーニング負荷によって示される多次元的な構成要素として説明されてきました。この論文では、トレーニング負荷とその下位次元の概念が、曝露を外的な被曝と内的な被曝に区別できる産業医学や疫学で用いられている分類とどのように整合させることができるかを説明する。

■ 外的トレーニング負荷 (External Training Load)
外的トレーニング負荷とは、単純に「アスリートが行うこと」と定義することができ、観察することができます。注目すべきは、これは物理学的な意味での作業を指すのではなく、より一般的な意味での作業(「身体的(または精神的)努力を伴う何かをすること」、オンラインオックスフォード辞書)であり、物理的(身体的トレーニングのように)という用語は、心理的スキルトレーニングのような他の種類の純粋に精神的な作業と区別するものである。

■ 内的トレーニング負荷 (Internal Training Load)
内的トレーニング負荷とは、一般的に、運動中またはトレーニングセッション中にアスリートが経験する(身体に対する)内部反応を指します。内部負荷は、一般的に心理学的及び生理学的測定法を用いて測定されるにもかかわらず(基本的に、適用及び定量化が比較的容易であるため)、加えられた力に応答して特定の組織が経験する応力及びひずみも内部負荷となり得るため、このカテゴリーに含まれる場合がある。

📕Jeffries, Annie C., et al. "Development of a revised conceptual framework of physical training for use in research and practice." Sports Medicine (2021): 1-16. >>> doi.

■ 外的な暴露 (External Dose)
外的な暴露とは、個体が曝露されるトレーニング量(作用物質/因子)であり、アスリートが実施する身体トレーニング量(活動量および動作量)を反映する測定値を用いて定量化される

■ 内的な暴露 (Internal Dose)
内的な暴露は、外的な暴露によって課される要求に対処するために個人が経験する内部(身体に対する)トレーニング負荷であり、トレーニング/運動中の心理生理学的ストレスを反映する測定値、またはその他の内部負荷測定値を用いて定量化される。

スポーツ科学で使用される用語と、疫学や薬理学のある分野で使用される用語の間に見られる類似性を表した図。左と右の図は、トレーニング負荷と曝露が2つの異なるが関連する下位次元(外部負荷と内部負荷、用量)を含む分類を表している。中央のセクションは、反応に至る因果経路における2つの下位要素の役割を示している。内部的な量と負荷は、対象とする結果のより近接した原因であり、すなわち、外部的な量・負荷が結果に及ぼす影響の媒介者(またはそのメカニズム)である。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

人間が生長する上で刺激は必要です
ところが、その刺激が不適切なものだったり、度を越したものだったりするとどうでしょう
生長どころか、心身ともに危険にさらされます
不都合なことに、外からの刺激を調整するのはとてもむずかしいのです
(中略)
唯一できるのは、子どもの側に刺激を受け止める能力を養うことです
度を越した、不適切なし激がやってきても、それを拒否したり処理する能力が備わっていれば、子ども自身の力で問題を最小限に食い止めることができます
その能力こそが「生きる力」であり、その力をもつ子どもが「自立した子ども」と言えるのです

【菅原裕子】子どもの心のコーチング P. 17

同じ言葉をいわれても、人によって響き方が違う。
同じ環境にいても、人によって加わるストレスが違う。
同じトレーニング負荷/量を与えられても、人によって疲労度は異なる。

すべて外的な刺激は、内的な特性という濾紙を通過して、反応を生み出す。
今回抄読した論文には、まさにそれを示した図と説明がなされていた。
その方の特性(内的なトレーニング負荷)を考慮した外的なトレーニング負荷をデザインしていく必要がある。
違う人に、同じことをやっていてはいけないのである。

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