
KAMに影響を与える因子。❶歩行修正, ❷個人の特徴, ❸形態
📖 文献情報 と 抄録和訳
臨床歩行分析における前額面膝関節モーメント。運動学的な歩行変化の影響に関するシステマティックレビュー
📕Byrnes, S. Kimberly, et al. "Frontal plane knee moment in clinical gait analysis: A systematic review on the effect of kinematic gait changes." Gait & Posture (2022). https://doi.org/10.1016/j.gaitpost.2022.07.258
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✅ 前提知識:KAMとは何か?
- 歩行時の外部膝関節内反モーメント(Knee Adduction Moment:KAM)は、変形性膝関節症(Osteoarthritis:OA)の定量的なパラメータであり、膝OAの進行や予後を予測する因子である
🔑 Key points
🔹裸足歩行時のKAMに影響を与える要因のレビュー
🔹特に、様々な形態的変化がKAMに影響を及ぼす
🔹同側への体幹傾斜、体重減少、膝関節外反はKAMを減少させる
[背景・目的] 非侵襲的三次元歩行分析から得られる膝前面モーメント(KAM1およびKAM2)は、膝関節荷重の代替指標であり、臨床および研究の場で非常に注目されている。この指標は、膝関節の負荷を軽減して症状や痛みを和らげるために、意図的でなくとも多くの側面から影響を受ける可能性がある。研究の実施や臨床的な意思決定のために歩行データを解釈する際には、これらのすべての側面を知っておく必要がある。
[方法] このシステマティックレビューはPROSPEROに登録された(CRD42020187038)。PubmedとWeb of Scienceを検索し、無足歩行3次元解析が行われ、KAM1およびKAM2がアウトカム変数として含まれる査読済みの原著論文を探した。2名の査読者が独立して論文を選別し、データを抽出し、Downs and Blackチェックリストを用いて方法論の質的評価を行った。
[結果] 合計で42件の研究が含まれた。調査した独立変数に基づいて、これらの研究は、1)歩行修正、2)個人の特徴、3)形態変化の3群に分けられた。
❶ 歩行修正
・KAM増大:速い歩行速度、歩幅の増大
・KAM減少:同側への体幹傾斜、内側スラスト、コアスタビリティ
❷ 個人の特徴
・KAM増大:高齢
・KAM減少:体重減少
❸ 形態
・KAM増大:内反膝、脛骨外捻
・KAM減少:外反膝、脛骨内捻

[結論] これらの要因は、研究者が研究計画(特に縦断的デザイン)を立てる際、あるいは臨床医が手術や治療の意思決定のためにデータを解釈する際に考慮されるべきものである。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
KAMに関しては、これまでの文献レビューから以下のような知識を得ていた。
すなわち、KAMは変形性膝関節症の理学療法を考える上で、非常に重要な指標の1つであると考えられる。
そのKAMの要因を網羅的に把握できる、この論文は非常にありがたい。
KAMの要因を漏れなく、重なりなく、MECE的に理解して、治療に生かしたい。
⬇︎ 𝕏での投稿✨
ラテラルスラストの原因💡
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) June 18, 2024
『他関節の影響』, 3つの視点解説+
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■ KAMは軟骨厚↓のマーカとなる?:https://t.co/EsxD6XWFSw
■ KAMに影響を与える因子:https://t.co/SXwM0VkN1p
■ KAMを減少させる戦略:https://t.co/FWy8a9jsNv#変形性膝関節症 #膝OA https://t.co/0L8kjcVFZs pic.twitter.com/bmZrywA8zT
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