つま先立ちは不安定板の上でどうぞ
📖 文献情報 と 抄録和訳
若年成人における足部孤立運動と比較した機能的運動時の足部内在筋の活動性
[背景・目的] 足部内在筋(plantar intrinsic foot muscles, PIFM)のトレーニングは、下肢の筋骨格系疾患患者や高齢者に有効である可能性がある。臨床現場でよく行われる足部単体運動は、その実施が困難であるのに対し、機能的運動ははるかに容易である。しかし、PIFMの活性化において、機能的エクササイズが孤立した足部エクササイズに匹敵するかは不明である。
●目的:本研究では、機能的エクササイズと単独のフットエクササイズとの間でPIFMの活性化を比較することを目的とする。
[方法] 若年成人29名を対象に、表面筋電図(electromyography, EMG)を用いて、4つの機能的運動(つま先立ち、つま先歩き、ホッピング)と筋特異的な足部分離運動における3つのPIFMの筋活性化を測定し、12の比較検討を行った結果である。
[結果] 機能的なエクササイズは、12回の比較のうち25%で足部単独のエクササイズよりも大きな平均EMG振幅を示したが、残りの75%では差がなかった。ホッピングの際、短母趾屈筋(FHB)と母趾外転筋(AbH)は、筋特異的足部運動の際よりも有意に大きな平均EMG振幅を示した(FHB - 中央値差: FHB-中央値:48%、IQR:4%~80%、p < .05;AbH-中央値:108%、IQR:79%: 108%, IQR: 79% to 153%, p < .05)。また、不安定な床面でのつま先立ちでは、筋特異的な孤立した足の運動と比較して、FHBではより大きな平均EMG振幅を示した(中央値差:29%、IQR:-9%~54%、p < .05)。
[結論] 機能的なエクササイズは、孤立した足のエクササイズと比較して、PIFMの活性化を誘発することがわかった。機能的エクササイズはより簡単に実施できることから、この知見は、PIFMの衰えや機能障害を患う集団において、筋機能や機能的タスクパフォーマンスを改善するための理学療法における機能的エクササイズの有効性をさらに調査する必要性を示している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
不安定な床面、固い床面。
そこでのつま先立ちは肉眼での観察では、ほぼ同じ運動に見える。
だが、ひとたびEMGで解析してみると、足部内在筋の活性度は異なるようだ。
不安定な床面の方が、有意に大きな足部内在筋の活動を認めた。
介入のターゲットが足部内在筋にある場合、カーフレイズは不安定な床面で実施したい。
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