トイレ動作の“サブタスク”
📖 文献情報 と 抄録和訳
亜急性期脳卒中患者における排泄課題を構成するサブタスクの難易度の違い: コホート研究
[背景・目的] トイレ動作は複数のサブタスクから構成されており、それぞれの難易度は介入対象や優先順位を決定する上で重要である。本研究では、入院時の排泄を構成するサブタスクの難易度と、入院中のサブタスクの技能再獲得を検討することを目的とした。
[方法] 本研究は、単施設の前向きコホート研究である。亜急性期リハビリテーション病棟に入院した連続した101名の脳卒中患者(平均年齢:69.3歳)を登録した。2週間または4週間ごとに、24のトイレタリーサブタスクのそれぞれにおける自立度を、Toileting Tasks Assessment Form(TTAF)を用いて評価した。入院時に自立していた患者数と、入院時には自立していなかったが入院中に自立した患者数を、各サブタスクごとに調べた。
[結果]
■ 入院時に最も困難だったサブタスク
🥇「車椅子のブレーキをロックする」(16.8%が自立)
🥈「立ったままターンする(排尿・排便前)」(17.8%)
🥉「下衣を下に引く」(18.0%)
・「立ったままターンする(排尿・排便後)」(18.8%)、「下衣を上に引いて整える」(18.8%)、「立った姿勢を維持(排便・排便前)」(18.8%)。
■ 退院までの自立において最も困難だったサブタスク
🥇「失禁パッド・生理用品を捨てる」(19.3%)
🥈「ナースコールボタンを押す(排尿・排便後)」(28.3%)
🥉「フットレストから足を外して地面に置く」(28.6%)
・「排尿・排便後に片付ける」(29.0%)だった。
[結論] 入院時の難易度の高いサブタスクと再獲得時の難易度の高いサブタスクは異なっていた。入院時の困難なサブタスクはメインタスクであり、再獲得時の困難なサブタスクは準備タスクであった。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
以前にも、同雑誌においてKitamura et al.の研究を抄読した。
この時には、移乗動作のサブタスクについて示してくれていた。
僕は、この研究が好きだ。
なぜなら、臨床における論理的な思考との相性がめちゃくちゃいいから。
その一例を、先輩、後輩のコミュニケーションとして示したいと思う。
どうだろうか。
明確で、分かりやすく、共有しやすい。
MECE、Logic tree、Chunk-downなどの意味が分からない、知りたいという方は是非下記noteを参照いただきたい。
臨床思考過程におけるBlack boxのすべてを開く。
そのために強力な武器として、サブタスク概念がある。
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