パーキンソン病の進行で起こる4つの変化
📖 文献情報 と 抄録和訳
パーキンソン病におけるモチベーション:いつの間にか無関心に
[レビュー概要]
ここから示唆されるのは、パーキンソン病における無関心や動機づけの低下は、運動症状の出現よりも早期に発生する可能性があるという点である。したがって、パーキンソン病の診断や治療においては、運動症状だけでなく、報酬感受性の低下や動機づけの変化にも注意を払うことが重要である。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
進行したパーキンソン病者のリハビリテーションにおいて、感じることがある。
運動意欲(リハ意欲)の低下、無関心、である。
これまで、何となくそれを感じていたのだが、今回の抄読研究、そして📕Banwinkler, 2024の研究によって、その実態の一部が明らかになった。
パーキンソン病の進行に伴い、報酬感受性は低下し、自己報告による無関心は増大する。
これは、大きなジレンマを引き起こす。
より多くの運動介入が必要となる進行期にも関わらず、報酬感受性の低下と無関心の増大によって、運動意欲が盛り上がりにくいという状態になってしまうのだ。
それにより、運動量が低下し、廃用性の要素も加わり、運動機能はますます低下していく・・・、という負の連鎖が想像される。
この連鎖を知った上で、さらに断ち切るために、僕たちには何ができるのだろうか?
まず、パーキンソン病者の運動意欲低下に対して、根性論で立ち向かわないことだ。
「この人、やる気ない!→何やってんですか!!!」というスタンスで接することは、フラストレーションしか生まないだろう。
この運動意欲低下は、あくまでも疾患による症状の1つである、という客観的で良い意味で冷たい態度が重要である。
そして、その疾患の症状である運動意欲に対する効果的な介入方法を知ることだ、これは今後の勉強だと思っている。
少しずつ実態を知り、少しずつ良い治療や態度が取れるように、進みたい。
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