脳卒中者対象のMobile Healthアプリ一覧
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中生存者の身体機能、身体活動、生活の質を改善するためのモバイルヘルスアプリケーション
[背景・目的] 脳卒中リハビリテーションにおける身体機能および身体活動に対する、身体トレーニング要素を含むモバイルヘルスアプリケーション(mHealthアプリ)の有効性を評価すること。
[方法] 材料と方法創刊から2022年7月12日までに発表された研究について、3つのデータベースで系統的な文献検索を行った。身体機能および身体活動のアウトカムを用いて、身体トレーニング要素を含むmHealthアプリを含む臨床試験を対象とした。QOLは副次的アウトカムとして抽出した。
[結果] 5件のRCT、2件の非RCT、および4件の非対照臨床試験が含まれ、合計264人の脳卒中生存者が対象となった。ゲーミフィケーション(6アプリ)、運動処方(3アプリ)、身体活動(2アプリ)の機能を用いた身体トレーニング要素を持つ11のアプリが同定された。
■ ゲーム型(Gaming)
・MOU-Rehab (Choi et al., 2016) - 入院患者
・Finger Training App (Jang & Jang, 2016) - 入院患者
・FINDEX (Carabeo et al., 2014) - 入院患者
・Tap-it (Kizony et al., 2016) - 入院患者
・ARMStrokes (Lawson et al., 2017) - 在宅
・Android App (Burgos et al., 2020) - 在宅
■ 運動処方型(Exercise prescription)
・CARE4STROKE (Vloothuis et al., 2019) - 入院 & 在宅
・9zest Stroke Rehab (Sarfo et al., 2018) - 在宅
・Farmalarm (Salgueiro et al., 2022) - 在宅
■ モニタリング型(Monitoring)
・STARFISH (Paul et al., 2016) - 在宅
・Fitlab (Grau-Pellicer et al., 2020) - 在宅
7つの研究のうち6つで、実験群に有利な身体機能の統計学的に有意な改善が報告され、上肢機能に関する所見が最も強固であった。身体活動については、実験群で統計的に有意な改善がみられた。QOLの有意な改善を示した研究は1件のみであった。全体的な研究の質はまずまずであった。
[結論] 身体トレーニング要素を含むmHealthアプリは、脳卒中リハビリテーションにおける身体機能と身体活動に対して有望である。これらの結論を確認するためには、さらなる研究が必要である。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
最近、Fitbitという活動量をモニタリングする機器を装着している。
すると、その日の身体活動量や歩数を携帯電話やPCでも確認できるようになった。
それは、なにか介入してくる、というよりはただ『モニタリング』してくれる機器だ。
ところが、このモニタリング & フィードバックというのは、あなどれない。
モニタリング & フィードバックがあることで、意識が運動に向きやすくなるのだ。
測ることは、育むこと。
患者さんの身体活動量などをモニタリングしたり、運動処方までできてしまうmHealth。
今後の可能性は大きいと思う。
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