5回立ち上がりテストの基準値
📖 文献情報 と 抄録和訳
機能的能力を評価するための1分間立ち上がりテストと5回立ち上がりテストの基準値:横断的研究
[背景・目的] ポルトガル人成人における1分間立ち上がり(1MSTS)および5回立ち上がり(5TSTS)テストの年齢別および性差別の基準値および基準式を確立すること。
[方法] デザイン:横断研究。記述統計により基準値を算出し、前方ステップワイズ重回帰により基準式を設定した。設定:地域社会。参加者障害のない成人ボランティア546人[年齢範囲18~95歳;58%女性]を募集。主要評価項目:年齢、性別、身長、体重、体格指数(BMI)、喫煙状況、身体活動に関するデータを、本研究のために特別に開発された構造化質問票を用いて収集した。手順:参加者は1MSTSと5TSTSを3回反復し、最も良い反復を解析に用いた。
[結果] 各年代の男女別の標準値が提供された。
・18-29歳:男性が6.11秒、女性が6.19秒
・30-39歳:男性が5.31秒、女性が5.77秒
・50-59歳:男性が7.15秒、女性が8.56秒
・70-79歳:男性が11.61秒、女性が11.23秒
・80歳以上:男性が16.46秒、女性が14.97秒
[結論] 提案された基準値と計算式は、健康な成人集団や疾病を持つ成人集団から得られた機能的能力の結果を解釈するのに役立つだろう。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
評価をとっていると、しばしば患者さんから聞かれることがある。
「これって、一般的にはどのくらいですか?私って遅いですか?」
など、基準値との比較を求められるのだ。
そのときに、握力など示された基準値がしっかりとある評価指標ならば良い。
しかし、基準値が示されていない評価指標の場合、返答に困ってしまう。
今回抄読した研究においては、5回立ち上がりテストにおいて、基準値と、さらに参照式まで示してくれた。
これにより、どの年齢であっても、基準値を参照することができ、先ほどの質問に対してしっかりと説明することができるだろう。
今後の検討としては、日本人においてこのようなしっかりとした基準値を確立することは重要かもしれない。
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