見出し画像

足部内在筋の総説


📖 文献情報 と 抄録和訳

足部内在筋: 解剖学、機能、リハビリテーション

📕Jastifer, James R. "Intrinsic muscles of the foot: Anatomy, function, rehabilitation." Physical Therapy in Sport (2023). https://doi.org/10.1016/j.ptsp.2023.02.005
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Connected Papers
※ Connected Papersとは? >>> note.

[レビュー概要] 本総説の目的は、足部内在筋の解剖学、機能、病態への寄与、およびリハビリテーションの選択肢に関する発表された研究を要約することである。

■ 足部内在筋の図解

1. 小趾外転筋(Abductor digiti quinti) - 小趾の外側に位置し、小趾を外転させる役割を持つ。
2. 短趾屈筋(Flexor digitorum brevis) - 中足骨から趾骨基部に付着し、趾を屈曲させる。
3. 母趾外転筋(Abductor hallucis) - 母趾を外転させ、内側のアーチを支持する。
4. 足底方形筋(Quadratus plantae) - 足底で屈筋腱の引っ張りを調整し、安定した趾屈を助ける。
5. 虫様筋(Lumbricals) - 各趾の屈曲と伸展を助け、足の機能的な柔軟性と適応性を高める。
6. 短小趾屈筋(Flexor digiti quinti brevis) - 小趾を屈曲させる役割を担う。
7. 母趾内転筋 - 斜頭(Adductor hallucis - oblique head) - 母趾を内転させ、横アーチの保持に寄与する。
8. 短母趾屈筋(Flexor hallucis brevis) - 母趾の屈曲を助ける。
9. 母趾内転筋 - 横頭(Adductor hallucis - transverse head) - 横アーチの支持に関与し、母趾を内転させる。
10. 足底骨間筋(Plantar interossei) - 第3、4、5趾を第2趾に向かって内転させる役割を持つ。
11. 足背骨間筋(Dorsal interossei) - 足の背側に位置し、趾を外転させる。第二趾を基準にして、他の趾を外側へ広げる作用を持つ。

■ 異なる姿勢における足部内在筋の筋活動

📕Kelly, Luke A., et al. "Recruitment of the plantar intrinsic foot muscles with increasing postural demand." Clinical biomechanics 27.1 (2012): 46-51. https://doi.org/10.1016/j.clinbiomech.2011.07.013

■ 足のMRI画像:健常者 vs. 脊髄神経根損傷者

図は、足のMRI画像であり、正常な内在筋と萎縮した内在筋の比較を示している。

・図Aは健常者の足をT1強調で撮影したMRI画像であり、足部の内在筋がはっきりと見える。この画像では、内在筋が十分なボリュームを持っているため、各筋肉がはっきりと識別できる。
・図Bは、慢性的な部分的脊髄神経根損傷の患者の足のT1強調MRI画像である。ここでは、内在筋が著しく萎縮しているため、筋肉組織のボリュームが減少し、画像が暗く見える部分が増加している。内在筋の萎縮は、神経損傷により筋肉への神経支配が失われることで引き起こされる。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

美しいということは、1つの力だ。
美しい図解は、論理的にというよりはむしろ、直感的に何かを打ち壊す力を内包している。
今回のレビュー論文は、足部内在筋についてのたくさんの美しい図解を示してくれた。
最近は、シューフィッター、インソール外来に強い興味を抱いている著者からすると、宝石のように輝く論文だった。

視覚の驚愕は、網膜を驚かせるだけでなく、思想をさえ変化させるものらしい。
司馬遼太郎 峠(上)

⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨

○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪

↓↓↓

‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●
#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び

この記事が参加している募集