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痛覚の加齢変化


📖 文献情報 と 抄録和訳

マルチモーダル痛覚における加齢変化

📕Zhi, Yongkang, et al. "Age-associated changes in multimodal pain perception." Age and Ageing 53.5 (2024): afae107. https://doi.org/10.1093/ageing/afae107
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[背景・目的] 痛みの感度は、異なる伝導線維に依存する可能性のあるマルチモーダルな体性感覚刺激によって異なり、これらの線維が損傷すると神経障害につながる。しかし、知覚される痛みの特徴、特に加齢の影響を受け、細い線維や太い線維に依存する可能性のある様々な体性感覚刺激によって誘発される痛みの特徴を調べる研究は限られている。

[方法] 本研究では、若年者と高齢者を対象に、小線維と大線維に対する熱刺激と圧刺激を別々に用い、自己申告による疼痛感度、疼痛閾値、疼痛弁別能を測定することで、疼痛知覚の加齢変化を検討した。若年層グループには、地元の大学で募集した健康な若年成人32名(男性16名、年齢=23.63±2.37歳、範囲=19~28歳)が参加し、高齢者グループには、地元で募集した健康な中高年成人30名(男性15名、年齢=54.70±9.70歳、範囲=40~72歳)が参加した。

[結果] 熱痛閾値は年齢と有意な正の相関を示したが、圧痛閾値は示さなかった。高齢者では、若年者と比較して熱刺激に対する疼痛閾値が上昇し、疼痛弁別能が低下した。

[結論] 加齢に伴う熱痛覚の低下が観察され、熱知覚の早期劣化が示唆された。これらの知見は、体性感覚障害の理解と評価に新たな知見を与えるものであり、ヘルシーエイジング集団が健康な感覚機能をより良く維持するのに役立つものである。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

加齢によって、痛みは感じやすくなるのか、感じにくくなるのか。
これは理学療法士としてはとても重要な情報になることで、とても興味がある。
今回の抄読研究は、そこに部分的に答えを与えてくれた。
結果としては、年齢が高くなるほど、熱痛覚に関しては疼痛閾値が上がる、疼痛がわかりにくくなる、というものだった。

前に、訪問リハビリに従事していたとき、コタツの中で足の指が低温やけどを起こした利用者様を経験したことがある。
これも、加齢による熱痛覚の低下が引き起こした事例の1つかもしれない。
この他、炎症による化学的な痛みの感受性なども気になるところだ。
加齢による感覚機能の低下、ここは追っていきたいテーマである。

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