足の骨パズル授業の効果
📖 文献情報 と 抄録和訳
医学部の初期段階において、足と足首の3Dパズルを使用することで、学生の骨格解剖学の理解が深まる
[背景・目的] 3Dビジュアライゼーションは、一般的に死体解剖による解剖学学習において重要な役割を果たしている。しかし、高コストや倫理的配慮、アクセス制限などの理由から、死体解剖が必ずしも教材として適しているとは限らない。解剖学の3Dプリントモデルは、低コストであり、アクセスしやすいことから、肉眼解剖学の代替教材として利用されている。本研究の目的は、3Dプリントモデルとゲーミフィケーションを組み合わせることで学習体験を向上させ、解剖学教育に効果をもたらすかどうかを調査することにある。
[方法] 足と足首の骨の3Dプリントモデルを作成し、2つの連続したコホートから選ばれた267名の1年生医学生がグループでパズルのようにこれを組み立てた。参加者はセッションの前後で3Dモデルに対する認識や足の解剖学的知識に関するアンケートに回答し、コメントも求められた。
[結果] 回答の分析により、学習者の解剖学知識に対する自信が大幅に高まり、3Dモデルが学習体験の向上に果たす役割が評価されたことが示された。また、セッション終了後には、多数の参加者から3Dモデルが「楽しく魅力的であった」とのコメントが寄せられた。
[結論] パズルの要素を取り入れたセッションを通じて、学生たちは足と足首の解剖学的特徴を解明するという精神的な課題に挑戦した。パズルと3Dモデルの組み立てを組み合わせたことで、この活動は楽しく、能動的な学習を促すものとなった。セッションを受ける前、学生たちは「楽しみながら学べる」可能性について考えたことがなかった。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
教科書の図、論文の解剖図は、とても美しいものが多い。
だが、その図にはどうしたって、欠落してしまうものがある。
それは何か。
『次元』である。
例えば、足部の立体感や奥行きといったものは、図では伝わり切らない。
それにもかかわらず、臨床現場では立体の人体を相手にした仕事をしなければならないのだ。
だからこそ、解剖学の理解は、ぜひ3次元で行いたい。
それを実現してくれるツールの1つが、『骨モデル』であろう。
今回抄読した研究は、3Dプリンターを用いて作成したコツモデルを用いて、骨パズルというゲームとして授業を行った。
その結果、生徒に自信を与え、楽しい授業を提供することにつながった。
臨床現場における、例えば新人教育においても活用できる方法だと感じた。
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