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腸内細菌とサルコペニア


📖 文献情報 と 抄録和訳

腸内細菌叢、代謝物、サルコペニアの因果関係:メンデル型ランダム化研究

📕Zhang, Xiangyu, et al. "Causal Relationship Between Gut Microbiota, Metabolites, and Sarcopenia: A Mendelian Randomization Study." The Journals of Gerontology, Series A: Biological Sciences and Medical Sciences 79.9 (2024): glae173. https://doi.org/10.1093/gerona/glae173
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[背景・目的] 高齢者では腸内細菌叢の不均衡とサルコペニアが頻繁に観察される。腸内細菌叢とその代謝物はサルコペニアのリスクを高める危険因子と考えられているが、これらの関連性が因果関係であるかどうかは依然として不明である。

[方法] 腸内細菌叢とそれらの代謝物がサルコペニアのリスクを高める要因であると考えられているが、これらの関連性が因果関係であるかどうかは依然として不明である。そこで、大規模なゲノムワイド関連解析から得られた一塩基多型を操作変数として、腸内細菌叢とそれらの代謝物とサルコペニアとの因果関係を調べるため、連鎖不平衡スコア回帰と2標本メンデル型ランダム化(MR)法を実施した。MR分析の後、得られた結果の頑健性と信頼性を強化するために、感度分析を実施した。

[結果] MR分析により、遺伝的に予測される腸内細菌叢と代謝物、およびサルコペニアのリスクとの相関を示す説得力のある証拠が得られた。 ポルフィロモナス科、リケネラ科、テリススポラ属、ビクティバリスの多様性は歩行速度と関連していることが分かった。また、本研究では、12種類の腸内細菌が四肢の除脂肪体重と、Streptococcaceae、Intestinibacter、Paraprevotella、Ruminococcaceae UCG009、Sutterella が握力と関連している可能性があることも示唆された。具体的には、サルコペニアのリスクに関連している可能性がある21種類の腸内細菌由来代謝物を特定した。

[結論] 2標本MRアプローチを利用した本研究により、腸内細菌叢、腸内細菌叢由来代謝物、サルコペニア発症の因果関係が解明された。これらの知見は、腸内細菌叢と代謝物がサルコペニアの潜在的な危険因子である可能性を示唆しており、新たな治療の焦点となることが期待される。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

腸内細菌・・・。
最近、様々なアウトカムとの関連が調べられている、人体にとって、とても重要な部分。
例えば、運動意欲を高める骨代謝との関係疾患リスク、果ては気質にまで影響するという。

そんな腸内細菌だが、今回の抄読研究においては、サルコペニアとの関連についてを調査している。
その結果として、腸内細菌の多様性と歩行速度との関連が明らかとなり、12種類の腸内細菌が四肢の筋量、握力と関連していることが示された。
ざっくり、腸内細菌とサルコペニアは関連している、と言えそうだ。
ますます、腸活に勤しみたい!

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