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「オーラルフレイル」のコンセンサスステートメント


📖 文献情報 と 抄録和訳

日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会による「オーラルフレイル」に関するコンセンサスステートメント

📕Tanaka, Tomoki, et al. "Consensus statement on “Oral frailty” from the Japan Geriatrics Society, the Japanese Society of Gerodontology, and the Japanese Association on Sarcopenia and Frailty." Geriatrics & Gerontology International (2024). https://doi.org/10.1111/ggi.14980
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[コンセンサス概要] 本コンセンサスステートメントでは、オーラルフレイルの概念と定義、新しい評価ツール(OF-5)、および医療従事者と一般市民向けの概念図を紹介している。これらのツールは、一般市民の意識を高め、医療および歯科医療従事者間の連携を促進することを目的としている。

■オーラルフレイルとは?
・オーラルフレイルという概念は、オーラルフレイルに対する国民の理解を深めることを目的として、日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の3学会からなる「オーラルフレイル合同作業委員会」により、2014年に日本で初めて提唱された。
・オーラルフレイルとは、口腔機能が健全な状態(「健康な口腔」)と口腔機能が低下した状態の中間にある状態であり、歯の喪失や食事や会話の困難など、口腔機能の軽度の低下を特徴とする。
・口腔機能の低下は口腔機能能力の低下のリスクを高めるが、適切な介入や治療により回復させることができる。

■ オーラルフレイル:5項目チェックリスト(OF-5)
・口腔の脆弱性は、歯科医療従事者でなくてもオーラルフレイル5項目チェックリスト(OF-5)を用いて評価することができる。
・口腔の脆弱性は、以下の5つの要素のうち少なくとも2つを満たす状態と定義される。
・(i)歯が少ない、(ii)咀嚼困難、(iii)嚥下困難、(iv)口腔乾燥、(v)滑舌低下

図は日本歯科学会プレリリースから引用. https://www.jda.or.jp/jda/release/detail_253.html

■ オーラルフレイルとアウトカムの関連
地域社会で暮らす高齢者の約40%がオーラルフレイルを抱えている
・オーラルフレイルは、食生活の多様性の欠如、社会的孤立、身体的な虚弱、障害、および死亡率と関連している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

最近、口腔の健康とその他のアウトカム(身体機能など)との関連が続々報告されている。
以前の考察にも書いたのだが、歯といえば、母親を思いだす。
いつも、「歯の健康は本当に大事。ものをしっかり噛めなくなることは、人生の楽しみが減ってしまうんだよ。」と言っていた。
その母は、今回の定義によれば、完全にオーラルフレイルになっていて、実体験に基づく助言だったのだろうと思う。

入院してくる患者さんの中には、オーラルフレイルをすでに持っている方、そのリスクが高い方がいる。
運動器、脳血管、関係なく、である。
なんといっても、地域社会で暮らす高齢者の約40%がオーラルフレイルを抱えているのだ。
スクリーニング検査をOF-5によって行い、必要があればオーラルフレイル予防に努める。
そんな体勢が整えられたら、理想だろうと思う。
理想を追いたい。

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