リハビリにおける成功の定義トップ10!
📖 文献情報 と 抄録和訳
「リハビリテーションの成功」とは何か?リハビリテーションのアウトカム測定に役立つマルチステークホルダー・ノミナルグループ手法研究
[背景・目的] リハビリテーションの利害関係者が「リハビリテーションの成功」をどのように概念化しているかを調査し、亜急性期リハビリテーションの最小限のデータセットとコアアウトカムを開発するための情報を提供する。
[方法] ノミナル・グループ・テクニックを用いた定性的コンセンサス・スタディ。
■ 設定方法:オンラインフォーカスグループ。
■ 参加者:オーストラリアの患者・家族(n=7)、臨床家(n=15)、医療サービス管理者(n=9)。
■ 調査方法:参加者は、「リハビリテーションの成功とはどのようなものか」という問いに答えた。項目作成後、上位5つの回答に優先順位をつけ、相対的な重要度を示すために項目間で100点を割り当てた。優先順位の高い回答は、質的内容分析を用いて利害関係者間で分析された。
[結果] 10のテーマが確認された。
■ リハビリテーションにおける成功とは?(Ranking Top 10)
①人中心・家族中心
②効果的であること
③複数の専門職間連携
④有意義な結果をもたらす目標指向型
⑤アクセス可能で公平であること
⑥連続したケアに接続されている
⑦エビデンスに基づき、革新と研究を促進する
⑧適切な資金と技術
⑨満足感・魅力的
⑩安全であること
[結論] 利害関係者が定義した「リハビリテーションの成功」は、価値に基づくケアとエビデンスに基づくリハビリテーションの原則に沿ったものであった。人と家族を中心としたケアの提供と受領が、成功するリハビリテーションの最も重要な指標であった。成功の指標は、構造、プロセス、結果、経験の指標を含み、複数の時点において実施されるべきである。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
BMIが19です→マラソン選手、ボクシング選手にとっては成功。ラグビー選手にとっては微妙。相撲選手にとっては大失敗。
幸福な人生→一般人にとっては成功、悲劇作家にとっては失敗。
まったく、人の世というのは面白い。
同じ現実であったとしても、その価値づけ、色付けは十人十色。
ある人にとっての成功が、ある人にとっての失敗であることは日常茶飯事だ。
だからこそ、ある程度「成功の定義」に関する統一見解を持っておかないと、業界で共通の方向性に進んでいくことができない。
極端に言えば、あるPTは治療技術Onlyで患者・家族の思いなどは二の次、三の次。
また別のPTは思いを重要視しすぎて、治療技術は二の次、三の次。
そのどちらにも、担当してほしくはない。
今回の研究結果であるリハビリにおける成功の定義、トップ10を改めてみてほしい。
この10の項目を満たせていたら、どうだろう。
確かに、良い、と感じられる。
リハビリテーションというテストにおいて、この10教科があること、それを周知していることが大切なのだ。
例えば、「今回の10項目を評価指標を定めて測り、その結果で回復期リハの質として、診療報酬を定めますよ〜」とか言われたら、やる、多分。
試験があるから勉強する、受験に合格したいからその教科を勉強する。
その仕組みが、人間に備わっていることは確かだ。
必要は発明の母、だから大事なことは、どんな『必要』を定め、仕組み化するか。
その準備としての今回の研究は、尊い。
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