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同僚の子どもを見つめる眼差しのあたたかさ~チルドレン・ボナンザ (Children Bonanza)~

日頃仕事をしている姿しか知らない大人達が、それぞれの子ども達が舞台で自由に自己表現する姿を家族のように喜び合う場は、愛に溢れていた。
 
インドで勤務していた頃の思い出のひとつに、家族ぐるみの行事があります。日系のIT企業だけど、インドのエッセンスも大切にしていた当時のインド人トップは、従業員の家族に気配りすることは安定経営のために不可欠と考えていました。どんどんよいポジションへ転職するのが当たり前のインドで、優秀な人材にいてもらうためには、昇給や昇進とともに家族も含めた深い絆は大切だと。

部署毎のイベントの経費を補助する制度もありましたが、幹部達とその家族はまるで会社を共につくりあげる大きな家族のように一緒に過ごす機会が年に1~2回つくられました。
日頃は全員で話し合う時間がとれない全幹部が、オフサイトの会議をするために避暑地に家族とともに遠出するのです。会社の方向性について意見を交わしている昼間は、家族達には観光等のレクレーションが用意されます。夜は、家族も揃ってイベントを楽しみ、飲み物やビュッフェディナーをとりながら語らいます。久しぶりの再会をハグして喜び、子どもたちの成長に驚き、リラックスした時間をともに楽しむのです。

なかでも大人気のイベントが、チルドレン・ボナンザ。ホテルのディナー会場に設営されたステージの上で、子どもたちがそれぞれ自分の得意なことを披露します。子ども達が何を舞台で表現するかは自由。披露したい演目は事前に事務局に伝えられ、音楽等も準備されます。

インド人得意のダンスは古典、モダン、ヒップホップと多様だし、歌を歌う子もいれば、詩や物語を暗唱する子もいる。

親はもちろん、そこにいる全ての大人が、満面の笑みで見つめ、褒め、我が子のように成長を喜びます。

これだけ褒められたら嬉しいだろうな~。こんな環境が、照れることなくひとりで堂々と表現する子ども達を育むのだな~。

その光景は、私には、学びと大きな感動をもたらしました。じ~んと胸が熱くなりました。インドでは子どもたちをみんなが大切にする空気が自然とあるけれど、さらに他人だけど家族のように喜ぶ空気があったから。

今でもSNSで彼らや成長した子どもたちを見ると、温かい気持ちになります。
 
私は、「他人に迷惑をかけてはいけない」と常に他人の目を気にするように育てられ、しっかりしているように見せなければいけないと思い、大人の前でのびのびとすることがなかったなぁ~。

今は、あるがままの子どもたちをみんなで大切にする世界観を持つおばさんでありたいと思っています。


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