【オサムとアトムと 番外編】アトムとレオとガンダムと
「機動戦士ガンダム」で、ホワイトベースがジャブローから宇宙に向けて飛び立って行く時、ブライトが「手の空いている者は左舷を見ろ、フラミンゴの群れだ」と言う名シーンがあります。
このシーンについて「山田玲司のヤングサンデー」で玲司先生が、アニメ「ジャングル大帝」のOPとの「つながり」を指摘しています。
「ジャングル大帝」のOPには、本当に素晴らしいフラミンゴの群れの乱舞が描かれています。手塚治虫先生たちスタッフは本編一話分程の労力を注いだそうです。
見事なオマージュですよね。冨野監督の演出が冴えまくっています。(ただ富野監督の場合、単純に「オマージュ」と表現していいのか分かりませんが。手塚先生とは色々あったようですから)
この指摘を聞いてから見直すと、ジャングルの上を飛んでいくホワイトベースの後ろ姿が、「巨大な白いライオン」に見えてきました。
ジャングルの上を飛んで行く巨大な白いライオン・・レオ・・
また、「機動戦士ガンダム」のラストは、無人のコアファイターが地球の向こう側の太陽に向かって飛んでいくシーンで終わります。これはアニメ「鉄腕アトム」のラスト、「太陽に向かって行くアトム」を意識しているのではないでしょうか。
冨野監督は、物語全体の中盤で、国産初の本格的カラーテレビアニメシリーズ「ジャングル大帝」を、物語のラストで国産初の本格的アニメシリーズ「鉄腕アトム」をさり気なく作品の中に入れ込んだのでは?
そこには、「『鉄腕アトム』も『ジャングル大帝』も超えてやる。手塚アニメを、いや今までのアニメ作品全てを超えてみせる、全く新しい作品を作ってやる!!」という、冨野さんの熱い意気込みがあったのではないでしょうか。
ガンダムについて冨野監督は、「自分の能力以上のことを思いついているかもしれない」と語っています。
また、一緒に仕事をした安彦良和氏は「あの時の富野由悠季っていうのは(中略)それこそ神がかっていたと思いますね。」と回想しています。
確かに「機動戦士ガンダム」はアニメの歴史を変えました。