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#SF小説
連載小説│鏡像 最終話
前回の話は⤵︎ ︎
ここが楽園?
私はよく分からなかった。
彼らの言う楽園を見れば見る程父が言う現実を生きることが正解な気がしたからだ。
彼らの歪んだ錯角に問うように
「現実を生きるのもいいことじゃないの?少なくともいまメタバースを利用してない世代、スマホ世代は知ってるはずだよ」
勇気を振り絞って私はそう言ってやった。
「スマホもメタバースと変わらないよ?君は現実逃避をするためにここに
連載小説|鏡像 5話
前回の話は⤵︎ ︎
ネットを介して唯一の友人ができたのだ。
私はその子をあいと呼んだ。
外見は、華奢でタレ目、頼りないようにも見えた。
よく言ったら優しそうだった。
意志のなさそうなその目と合った瞬間私はすぐ仲良なれると感じた。
普段私から話しかけないのにこの時ばかりは妙に私ばかりが話していたと思う。
私がその子を下に見てたからかもしれない。
その目を通して遊の姿が見えた。ま
連載小説|鏡像 4話
前回の続きは⤵
そうだ、今日戻ってきた理由は学校があるかだ。
急いで準備に取り掛かっていると、ふと煩わしいなと思うようになった。
こんな便利な時代に不便で仕方ない学校があるのか。
そう疑問を抱く。なんなら国という仕切りの前に学校が窮屈だ。
しかし、少なくなった教科を見ては学ぶ楽しみを奪われるのは辛いのかもしれないと思う時がある。
昔はあんなに勉強が苦手だったのに。
なんなら学歴社会
連載小説|鏡像 2話
1話はここです↓
この技術は遊自身にも革命を起こした。
どこにいても目立つ遊にとって自分の行きたいところで過ごせる世界は幸せそのものだった。
今日とて鏡に向かい合う。
そこには本来のムスッとした姿の自身の姿が映し出されていた。こんな自分を変えたいだから
「もっと男らしくて逞しい姿に変えよっと」
そうすると理想の姿が次は映し出された。
現実を見なければ理想を見れないとは皮肉だ。
今日
連載小説|鏡像 1話
私はネットで隠してることがある。
それは性別を偽ってることだ。
橋田 遊は、幼少期から何かと目立つ顔が心底嫌だった。
10代前半の彼女に向けられた目は綺麗なものばかりではなかった。
だからリアルもこうして男のフリをして生意気そうだと言われる鋭い目を伊達メガネで隠してる。
だが、10代後半にして、世界は一瞬で変わった。
産業革命ごとき革新が起きたのだ。
ある人はこの出来事と共にこ