連載小説│鏡像 最終話
前回の話は⤵︎ ︎
ここが楽園?
私はよく分からなかった。
彼らの言う楽園を見れば見る程父が言う現実を生きることが正解な気がしたからだ。
彼らの歪んだ錯角に問うように
「現実を生きるのもいいことじゃないの?少なくともいまメタバースを利用してない世代、スマホ世代は知ってるはずだよ」
勇気を振り絞って私はそう言ってやった。
「スマホもメタバースと変わらないよ?君は現実逃避をするためにここに来たんじゃないのか!?」
といつも優しい口調のあいが荒々しい口調で取り乱した姿を見せた。
周りにいた観察者も反逆者だとわかると冷めた反応をした。
そしてこう放ったのだ。
「同情のフリをして孤独な君をコミュニティに参加させてあげたのに……。知ってるだろう君もここで1番差別されるのはコミュニティに属してないつまり君みたいに何も考えない思想のやつらだぞ、あははははは」
と狂ったように一斉に笑い出した。
壊れた玩具のように笑う人たちは着飾ってた鏡像のようにも見えた。
差別は結局無くならなかったのか。
人は差別の対象を「思想」にしたのだな。
当時の政府の謳い文句を思い出し呆れ笑いが出た。
現実は心をこんなに飾らないじゃないか。
私は、特有の思想に拘らず自分の温もりで何かを感じたい。
この感性を無駄になんかしたくなかった。
少なからず父はそう思ってくれているはずだ。
だから鏡のように冷たく、脆くうつろいやすい考えを持ちたくないのだ。
他人の思考に全てを委ねるこの世界が正しいと言えるのか。
分からなかった。けれど今はこれが正解なのだろう。
昔父が言ってた言葉を思い出した
「理想と現実の狭間に立たされると人間は壊れる。だから理想の姿に見つめすぎるな」
それはこのことを言ってたのかもしれない。
誰かはこの世界を「国境のない惑星」だと称した。
今の私ならこう言うだろう。
「理想と現実の狭間の惑星」
だからこそ、私はなおさらこの目立つ顔を利用し尽くして生身の良さを伝えるコミュニティを現実で作ろうと思う。
それは着飾るのではなく、真実の姿を見せるためだ。
メタバースの行き来をするツールが鏡にしたのもそういう意図があるのかもしれないと遊は思った。
時代に委ねることそれは簡単なことしかもしれない。
しかし、思考停止はしてはいけない。
新たな環境は適応しずらい
それを変異させ対応するそれが個人の進化なのだ。
「時代に逆行する」
それは突然変異をしようとしてるとも言えよう。
その日久しぶりにスカートを着た。遊にとっても大きな革命が訪れたのだ。
世界と人の進化はまだ始まりに過ぎない。
※コメントどしどし
私の文章がまだ未熟なのでこんなのしか書けませんでしたがもういいやぁってなってます笑
最後まで読んでくださりありがとうございました!