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通級指導教室担当としての役割と苦悩 ~何のために、学校へ登校するのか?~

通級指導をしていると、とても胸が苦しくなることが多いです💦学校に対して不適応な状態が続いている子の胸の内を聞く時が、特にそうなのです。

先日は、登校渋りのAさんに対して、その理由を尋ねたことがありました。

「行きたい気分にならない…」

こう答えました…。

理由が漠然としていて、本人も気分でしか表現できない状態…家族のご苦労もひとしおです。何より、子ども本人が辛いでしょう。

さらに、毎日学校へ行かせようと家族が促しているそうなのですが、その際に大きなため息をするのが辛いとも話していました…

本人にとって、学校に行けない理由は、気分なのです。そんな子供に対して、学校に行くよう何度促しても、登校する気分にならないのだから、布団から出られません。そんなことを毎日繰り返していたら、家族もため息の1つや2つ、出て当然です。

では、私の役割は、一体何なのでしょうか?

子供の思いを聞き、慰め、学校への登校はしなくていいということなのか?
母親の思いを受け取め、学校へ登校させるよう後押しすることなのか?

ここで、我々の本質、原理原則に立ち返ってみたいと思います。

教育基本法では、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家や社会の形成者として国民を育成することを目的としています。

学校に登校することが目的ではありません。しかし、学校に登校することで、教員は子どもへ教育できます。子どもは学校で過ごすことで、教科の学習内容を習得し、社会性を見つけ、自己理解を深め、人格の完成を目指すことができます。平和で民主的な国家や社会の形成者として国民を育成することができるのです。

私は、常に、保護者へこう伝えています。

「学校へとにかくやってください。後は、我々で何とかしますから!」

学校にやってくれないと、教育ができないからです。現在は、GIGAスクール構想が進むことで自宅からのオンライン学習もできるようになってきました。しかし、実際にオンラインでの学習が学びに効果的につながっているかと聞かれれば、疑問が残ります。

例えば、実際に通級指導に通うBさんは、通級指導教室の隣の教室へ別室登校し、GoogleMeetでオンライン授業を受けています。誤解を恐れずに言えば、板書の映像と教師の声が聞こえるだけで、直接授業を受けている子供に比べて理解度ははるかに落ちると言わざるをえません💦

教科書を読んで自分で問題を解いたり、ノートにまとめたり、プリントを解いたりした方がはるかに教科の学習内容の習得につながります。

Bさんは、まだ登校できているので、オンライン授業をメインにしつつ、できる範囲で理科の実験や校外学習等に参加することで十分な学びを保証することができています。特別支援学級での活動に参加したり、支援員による支援を受けたり、個に応じた配慮・支援を受けています。これも、学校に登校できているからこそです。

Aさんに対しての今後の対応は、一貫して以下の通りです。

気持ちを受け取りつつも「学校に来れるように、頑張ってみよう!」と繰り返し伝えていきます。

通級指導教室担当として、本来の趣旨とは外れるかもしれませんが、登校渋りの子供に対する支援も行い、学校に登校できる1つの安全基地としての役割を全うしていきたいと思いを新たにしました。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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