『あずかりやさん』(大山淳子)
【だいじなものなのに、なぜわたしにあずけたの?】
「あずかりやさん」(大山淳子)の一文です。
人は不思議な行動をする生き物だ。
それは自分では理解できない行動もある。
なぜ?
と思わざるを得ない。
この本は、とある町にある
あずかり屋さんというお店が舞台になっている。
さまざまな人がそれぞれの理由で色々なものを預けに来る。
しっかり取りに来る人もいれば
その後、取りに来ない人もいる。
何年も長い間預けるという人もいる。
預けるものはそれぞれにとって思い入れが強いものが多い。
ある女性は離婚届を預けようと悩んでいた。
その時、店主の代わりにいた留守番の男性に
『悩まれているなら、交換にしましょう』
と提案されます。
『ぼくの大切な本をあなたに預けます。あなたのその預け物とお互い交換してみませんか?』
その女性はその提案を受け入れます。
交換後、しばらくしてから留守番の男性から連絡がありその本が必要になったから返して欲しいと言われます。
「何だったのこれは💦」
と女性は不可解に思いその男性に聞くことにしました。
「だいじなものなのに、なぜわたしにあずけたの?」
男性は言葉をゆっくりと発します。
『君が救われると思って•••』と。
預かることが救うこと?
ぼくはこの小説を読んでいて不思議だった。
それでも読み続けているとあとがきに、
「誰しも事情があり、不思議な行動にもちゃんとわけがある」
と書かれていた。
自分の考えだけでは分からないことがある。
だから、考える必要がある。
このあずけるという行為は
「時間を置く」と「未来に約束する」ということだ。
時間は魔法使いのようで
少女をおばさんに変えるし
ぽっちゃりくんを好青年に変えてくれる。
預ける・預かるは、
未来に対する約束で
約束は未来を明るくしてくれる。
あずかり屋さんでは
物を預けてはいるのだが
実は想いを預けている。
想いがどう変化するかは分からないけれど
未来へ約束している時間は前向きで居られる。
悩んでいることは
ずっと悩み続けるのではなく
一度、別の場所に置いてみる。
そうすることで
案外大したことないと気付けることもある。
もちろん
大切なものを預けるというのは
かなり覚悟が必要だ。
大切だからこそ
離したくないと思う。
でも、だからこそ
勇気をもって少し離してみることで気付けることがある。
これは
人も物も金も
そうなのかもしれない。
あなたが悩んでいるものから
一旦離れてみると見えてくることがある。
必要だったら取り戻せばいいだけだし♪♪
そして
誰かの大切なものを預かって見て欲しい。
あなたにとっては、何でもないものでも
その人にとっては、かけがいのないもの
なんだから♪♪
大事なものだから預け会える関係って素敵だなって思う✨
というか、
大事なものがあるだけでも幸せか✨
『預ける』という動詞について
考えるキッカケができました♪♪
星と王子様の章が1番描きたかったことじゃないかな〜🤔
今度読書会で紹介しよ♪♪
『預けたいものがある人にも、無い人にもオススメ📕』
#あずかりやさん
#大山淳子
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『ブックランドフレンズ』